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98年J1参入決定戦に敗れ涙に暮れる札幌サポを見たことで、コンサ愛に目覚めた非道民。 何の因果か札幌に居を構え、試合結果に1週間のテンションを左右される日々。 いい年こいてまだ中二病が完治していない。 思い出とコンサの試合と日常をミキサーに投げ入れて、味の素で整えた文章を提供していく。 ご笑覧いただければ幸いだ。
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2016年04月01日
FC町田ゼルビア。FC町田のトップチームとして1989年に創設された「FC町田トップ」が前身となり、1997年から現在のクラブ名となる。2011年にJ2昇格圏内であるJFL3位となりJ2に昇格。しかしJ2の壁は厚く最下位から抜け出せず1年でJFLへ降格となってしまった。しかし、監督に復帰した相馬直樹体制2年目となる2015年。遂にJ2・J3入れ替え戦で大分トリニータを下し4年ぶりのJ2復帰を果たした。現在3勝1分1敗、勝ち点10で5位。スタートダッシュを決めたチーム同士、雌雄を決するべく野津田競技場で激突する。
昨年のJ3を最小失点である18点で凌ぎ切ったゼルビア。引き分けが9と多く勝ち切れない試合も散見されるが、堅牢な守備を軸に勝ち点を重ねていたことは想像に難くない。その中心になっていたのがGK高原寿康だ。コンサドーレサポーターにも馴染み深い岐阜出身のGKは、2014年から町田に所属し昇格を決めた15年には全36試合でゴールマウスを守り抜いた。特に大分と死闘を繰り広げた昨年の入れ替え戦。大銀ドームに乗り込んだ第2戦で、MFの森村昂太がファウルによりPKを与えるも、高原が大分FWの高松大樹のPKを見事セーブし、勝利の立役者となっている。また、先ほど登場した森村とボランチのコンビを組むのは李漢宰とコンサドーレと因縁の深い選手がスタメンに名を連ねている。
守備のキーマンが高原なら、攻撃のキーマンは中島裕希になるだろう。2013年J2山形で12ゴールを決めた実績があるストライカーは既に4ゴールあげ、チームを5位に押し上げる原動力になっている。京都サンガ戦での同点弾のようにDFを2枚引き付けてでも頭で決めきれる身体の強さは脅威だ。
ゼルビアの基本陣形は4-4-2。190cmの金聖基を中心に跳ね返し、豊富な運動量を誇る李漢宰が攻守にスイッチを入れる。攻撃のメインは右サイドで、SBの星野悟から鋭いクロスが前線に供給される。その前線で待ち構えるのが191cmを誇る高さの戸島章とゴールの嗅覚に優れた中島裕希の2トップだ。更に独特のリズムで左サイドを切り裂く谷澤達也が攻撃に絡んでくる。当初は攻め急ぐ攻撃陣とDF陣とのギャップがあり陣形が間延びしてしまっていたが、すでに修正されている。相馬体制も3年目を迎え、チームコンセプトの選手間理解は深まっているようだ。攻守の切り替えも早く、ストライカーも居る難敵だ。
とはいえ攻略ポイントがないわけではない。まずは攻撃の中心である右サイドを封じること。先日の京都戦同様、SB星野の裏へ堀米悠斗やジュリーニョを走り込ませサイドに釘付けにしてしまう。するとどうなるか。中央のWボランチを経由しなければ左SH谷澤達也、右SH鈴木崇文にパスが渡らなくなる。そうなればコンサドーレの思う壺だ。中央を固める3ボランチがボールを刈り取り、手数をかけずに前線の都倉賢、ジュリーニョの強力2トップが待ち構える前線にボールを運ぶ。仮にファールで止めても、キッカーには前節直接FKを沈めてノッている福森晃斗が控える。付け加えるならば、町田の3失点のうち2点はセットプレーから失ったものであり、まだJ2のセットプレーの圧力に対応しきれていないように思われる。連動した守備から素早い攻撃につなげ、シュートを「撃ち切れ」ば勝利は見えてくるだろう。2014年の福島時代に町田と一度だけ対戦経験がある堀米悠斗は「当時とチームはあんまり変わっていない。中でつくってサイドから崩せばいける」と攻略法を明かしていた。
しかし、これを避けるために中盤を省略したロングボール放り込みキック&ラッシュ作戦に出られると厄介である。2トップに3バックで対応するというミスマッチに、裏抜けを得意とする中島への対応。マークの受け渡しに失敗し、後ろから走りこんできた選手にミドルをぶち込まれるという未来は回避したい。仮に先制を許せば、ここは町田のホームだ。思う存分強固な守備ブロックを構築し逃げ切りを図るだろう。彼らの今年の目標は「J2残留」。そのためには1点でも多く勝ち点を積み上げることが肝要だ。いかにして彼らを振り切ることができるのか。コンサドーレの底力が問われてくる。また、指揮を預かる四方田監督も「攻守に前志向が強く、攻撃はどんどん前に入れてくるし、守備もどんどん前に来る。それを支えるのが切り替えと運動量と速さ。自分たちもチームコンセプトとして持っている部分なので、そこは負けたくない」と静かに闘志を燃やしていた。
注目ポイントとしては前半30分までにどちらがゴールを奪うか。ゲームの主導権ではなく、ゴールだ。恐ろしく当たり前であり、口にするのもおこがましいが、先制点が大事だ。そして追加点はもっと大事だ。ゴールを奪うという姿勢がチームで共有されれば、もう少しサイドでの攻撃が改善されていくだろう。J1昇格へ向けての茨の道は果てなく険しい。だからこそ攻撃陣の一層の奮起が待たれる。都倉だけじゃなくて俺も居るんだぞ!というぐらいの気概で、ボールがゴールネットに突き刺さる「ガシャッ!」という音を何度でも聞かせてもらいたいものだ。しばらくぶりの3連勝へ向けて、勝利を我らに!We're 北海道コンサドーレ札幌!!
2016年03月30日
先日札幌ドームで行われた試合で不思議な歓声が上がった。一人の選手がフリーキックを蹴ろうとボールを据えた時、一際大きな歓声と拍手が鳴り響いたのだ。観客の目を独り占めにしたのは進藤亮佑。若干20歳のDFがなぜこんなに注目されているのか。この歓声にはそもそも裏がある。ことの発端は前節の対清水エスパルス戦。前半34分、清水ゴール正面約25m付近でコンサドーレはFKのチャンスを得た。チームのフリーキッカーは福森晃斗だったが、その彼に「僕に蹴らせてください」と迫ったのが進藤だった。「自分が蹴るつもりだった。(進藤の言葉は)無視した。」とあっけなくこの申し出は却下され、このFKを起点にコンサドーレは追加点を得ることになった。そして迎えた第5節対京都サンガFC戦。3-0と点差も開き、福森も直接FKを沈めて満足している状況でFKという場面。進藤がボールを抱えた瞬間に、笑い声交じりのざわめきと拍手が札幌ドームを包んだ。ゴールを直接狙ったブレ球でのFKはあえなく宇宙を開発し、「何かやってくれる」進藤亮佑の伝説に新たな1ページが加わることになった。
この試合進藤だけではない。プロ初スタメンの阿波加俊太は勿論、攻守の要である3ボランチには深井一希、前寛之、堀米悠斗。3バックの左にはリオ世代の櫛引一紀が陣取る。堀米はキャプテンマークを腕に巻くなど責任重大であった。特に目立っていたのは前寛之ではないだろうか。3ボランチそれぞれ役目を果たし、チャンスを産み出していった。以前ではバックラインからの組み立ては河合竜二が担い、「どっせいフィード」が前線に供給されていた。彼のプレーを否定するわけではないが、もう少し中盤の選手が攻撃を組み立てるほうがクリエイティブなサッカーになるのではないかと思っていた。それが3ボランチこと「宮澤過労死システム」に変更して前線との連動した攻撃が見られるようになった。いわゆる攻守の切り替えスピードが上がり、カウンターの「鋭さ」が増したのだ。これは宮澤裕樹が体調不良で欠場した京都戦にもいえ、決定的なスルーパスを決めた前寛之は長い距離を走ってきた上で、あの位置取りであり、あの判断だった。開始直後のプレーにしては落ち着いている。その成長が見られたからこそ、前寛之をMIPとしたい。
山瀬功治に年季の差を見せ付けられ裏を取られたものの、無難に今季初スタメンを勤め上げた櫛引一紀。リオ五輪代表選出のため猛アピールが必要な時期にスタメン陥落という憂き目にあっているが、準備を怠らなかったことが見て取れるような気持ちの入ったプレーをしていた。特にオフサイドライン上でパスを要求するその貪欲な姿と、その場所に走りこんでいたという攻守のメリハリの部分は現状を打破しようというチャレンジングな部分が感じられる。そのシーンでなにより驚いたのが、櫛引より先に抜け出してラストパスをもらった増川隆洋だったが…。なにより、自分の居場所は安定ではないという危機感を持って切磋琢磨している彼らの姿が眩しい。タクマといえば荒野拓馬はTVhの試合中継にゲストで参加し、解説を務めた吉原宏太と丁々発止の掛け合いを披露していた。彼も故障で出遅れているが、復帰したからといってスタメンが確約されているわけではない。彼も櫛引同様、リオ五輪代表を狙っている。眼の色を変えてこれからの試合に臨んでいくはずだ。事実29日の練習から全体練習に復帰した彼は、「しっかりアピールして頑張りたい」と闘志をにじませながら報道陣の取材に答えている。先ほどのゲスト解説として出演した際に、更なる進化を求めてDFラインの裏を突く動きについて内村圭宏の動きを参考に学んでいると語っていた。荒野に必要なのはゴールであり、目に見える結果だ。技術は持っているのだから、復帰後は師匠の都倉賢と息のあったコンビネーションを試合でも見せ付けてもらいたい。
…さて、光差すところに影あり。明暗とタイトルをつけているのだから、暗にも触れておこう。京都戦のベンチ入りのメンバーは以下のようになっていた。控えGK、杉山哲。控えCB、河合竜二。ボランチ、稲本潤一。FW/SH、内村圭宏。FW、ヘイス。SH、上原慎也。SH、イルファン。以上7名がベンチ入りしている。神田夢実、中原彰吾。彼らの話題を聞かない。練習場に足を運ぶ時間がないので、練習での動きを確認することは出来ない。なので新聞報道などでしか近況を知ることが出来ないが、特に怪我での離脱もないような状況で彼らはベンチに入れていない。京都戦の翌日に行われたコンサドーレU-18との練習試合で、ヘイスとともに神田は2ゴールを挙げたと公式ホームページで発表があった。ひとまず何かしらかの結果は出しているようだ。おそらく彼らはイルファンと最後の1枠を争うことになると思う。にもかかわらず、この中間に怪我で一部離脱したイルファンにあっさりとベンチ入りを奪われてしまったのは痛恨事だ。U-18相手とはいえ、とりあえず神田は2ゴールという結果を出した。これに加え、どのように自分をアピールするか。進藤のようにとは言わない。言わないが、彼は自己アピールが上手い。走れるというのは大きな武器だ。ある程度サイズもあり、足元の技術もしっかりしている。この前提のうえで「何かやってくれる」からスタメンでの起用が続いているのだ。神田しかり中原しかり、「何かやってくれる」この空気を纏えるかどうか。彼らの前途に光は差すのか。この戦いからも目が離せない。
2016年03月27日
完勝だ。クリーンシートではないものの、先制、中押し、そしてダメ押しと効果的に得点を積み上げ4位に順位を押し上げた。開幕して5試合が終わり、3勝1敗1分けで勝ち点10。無事プレーオフ圏内を確保し、コンサドーレはスタートダッシュに成功した。
試合前に京都サンガに触れた記事で、私はこの試合のポイントを2点挙げた。1つはいかに攻撃の起点である石櫃洋祐を封じるか。もう1点はコンサドーレが追加点を上げることができるのかだった。この2点とも彼らは前半のうちに回答を出してくれた。前節の長崎戦とはうってかわり、バランスを重視しハイプレスを自重した京都。これが全く裏目に出て、前半3分。前線でボールを収めたジュリーニョを起点に繋いだボールは堀米悠斗から走り込んできた前寛之の元へ。「前寛につないだつもりが、うまくスルーしてくれた。アシストはついてますが、ほとんど都倉さんの個人能力です」とは堀米の弁だ。これを前寛之は「後ろに都倉さんがいるのが見えていた。自分にマークが食いついてきたのでスルーした」と狙い済ましてスルーパス。そして彼に釣られたDFを引き剥がし、裏へ抜け出した都倉賢の右足一閃。利き足の左ではなかったものの「相手が左に対して対処してくるケースが多かったので。キャンプから右で打つことには取り組んできた」「違和感なく打つことができた」と更なる成長を見せ付けるゴールを叩き込む。あっさりと コンサドーレが先制した。
早すぎる先制点。若干すぐに次の1点を取りに行くか、ある程度時間を使って攻撃を組み立てていくのか迷った部分もあったかと思う。そこで崩れたバランスも3ボランチから2ボランチにシステム変更し建て直すことができた。都倉やジュリーニョといった強さとスピードのあるFW2人に手を焼いたのか、頼みの石櫃は攻めあがる機会がほとんどなく、アタッカー陣のインスピレーションと個人技に頼らざるをえなくなった。とはいえ山瀬功治の個人技で裏を突かれたり、ミドルを撃たれるなど部分部分で危うい所はあったが、ゲームの主導権はコンサドーレのものだった。その後前半ATの福森晃斗のFK、後半にはこの日2点目となる都倉のPKで順調に加点し、3-1 でコンサドーレは勝利を収めた。試合終了間際の失点はもったいないといえるものだったが、完勝には変わらない。金山隼樹、宮澤裕樹を体調不良で欠く中、文句ない勝利だった。
試合後の選手のコメントの中で特筆したい言葉が、「チームが攻守にコンパクトでいい距離感」「全員が声を出し合っている。」この2つだ。陣形をコンパクトに保てているため、都倉賢曰く「攻撃に集中できる」ようになっている。実際この試合でも、自陣で奪取したボールを都倉にあて、彼を起点に京都ゴールに迫るというプレーが多く見られた。また「声を出し合っている」というのは特にこの試合、GK阿波加俊太がプロ初スタメンとなっており彼を盛り立てるためという点も加わり、いつも以上に声を掛け合っていたように思われる。また元気印の進藤亮佑がFKの際にキッカーの福森に対し自分が蹴りたいと直訴するなど、物言える雰囲気が醸成されつつある。無論進藤だけかもしれないが、変に萎縮して声が出ないよりはよっぽど良いはずだ。現主将である宮澤もかつて芳賀博信に対し、試合中呼び捨てで指示を出していたと記憶している。
今のコンサドーレは良いサイクルが出来ている。ベテラン、中堅、若手が融合し、試合ごとに成長を見せている。選手層が厚くなってきているのが分かる。四方田監督も今後のスタメンを考えるのが大変だろう。あえて不満を述べるとすればカウンターでサイドから崩す時にフォローするプレイヤーが足りないことだろうか。TVhの中継で解説の吉原宏太が指摘していたが、たとえばマセードがサイドライン際でDFに囲まれたときにフォローのために寄るであるとか、追い越す動きで連動して崩してゴールに迫るであるとか、このような動きが加われば4点目、5点目というところも見えてくる。試合を優位に進めているとはいえ、サイドプレーヤーに任せきりになってしまうと癖になってしまい、いざというときに戦術的に手詰まりになってしまう恐れがある。だからこそ油断せずに、攻め切る所は攻め切るという攻撃の形を見せてもらいたい。ここで若干受身に回ってしまったからか、シュート数が同数の14-14という結果、そして3-1というスコアになって顕れたともいえる。たかが1点、されど1点。守るか奪い取るか。このバランスが難しい。だからサッカーは面白い。
過去、コンサドーレは開幕5試合で2ケタ以上の勝ち点を奪うと、翌シーズンは必ずJ1という心強いデータもあるそうだ。凶敵清水、難敵京都を倒した今、過去データなどあてにならないことが証明されつつあるが、都合のいいデータは信じていきたいと思う。次節は4月3日、相手は町田ゼルビア。最高の週末がまた僕らを待っている。
2016年03月24日
4分。勝ち点4を獲得し、現在13位。これが2011年函館決戦以来勝てず、以後1分6敗を喫している京都サンガFCの第4節まで終了時点の成績だ。この京都サンガをホーム札幌ドームに迎える。
京都サンガといえば任天堂、京セラ、ワコールと名だたる大企業がスポンサードする天皇杯を手にしたこともある古豪だ。近年は若手選手の活躍も目覚しく、U-23日本代表で主力を勤める原川力など紫魂を胸に秘めた選手たちがピッチを縦横無尽に駆け回り各チームのサポーターを震撼させている。…昨年までは。
彼らの試合をハイライトで見返しているのだが、なんとも評価に困る。すでに原川力、駒井善成、宮吉拓実といった、それこそJ2を震撼させた若手軍団は他クラブに移籍しており、もはやかつての京都とは違うチームであるのは分かっているのだが。その中で拾える情報といえば、チームコンセプトは4-4-2をベースとし、右サイドバックの石櫃洋祐を起点として攻撃を組み立ていること。有田光希、イ・ヨンジェといったアタッカー陣は強力で第1節から3節まで3試合連続で先制点を挙げており、決定力は侮れないものがある。一方で攻守の切り替えに難があり、追いつかれての引き分けが2度、先制した上で逆転されたことが1度ある。積極的なプレスで主導権を狙うことを主眼としているものの、DFラインとボランチの間にギャップを生じるシーンが散見された。とはいえ逆転されたファジアーノ岡山戦も終了間際に石櫃のゴールで追いついており、勝ち点1を拾うことはできている。第4節のV・ファーレン長崎戦ではフォーメーションを4-3-2-1のクリスマスツリーに変更している。186cmの体格を誇るイ・ヨンジェが1トップとして身体を張り、石田雅俊や有田といったアタッカーが彼に絡む形で相手ゴールを狙った。だが狙いは上手くいかなかったようで、立ち上がりから中盤で激しくつぶし合う展開が続き、見せ場はセットプレーだけだった。
おそらくキーマンといえるのは石櫃洋祐だろう。彼を封じることで、京都の攻撃は機能不全を起こす。攻撃のスイッチが入らないのだ。前線へのクロスがアタッカー陣に届けば、彼らの個人技でシュートまでは持っていける。だが、、、というところだ。その個人技のところで有田光希にも注意が必要だ。近年スコアは伸び悩んでいるものの、2012年には14ゴールを挙げた生粋のストライカーだ。うっかりCK与えてしまうと、エリア内で反転シュートをぶち込まれる危険性がある。
相性は悪い。すこぶる悪い。なんせ5年勝っていないのだ。ポカンと一発お見舞いされる危険は大いにある。だからこそ、清水戦と同じように開始直後とハーフタイム明けは当たり負けしないように積極的にボールを追ってもらいたい。なにせ京都の目標は「今季初勝利」。キックオフ直後のプレス地獄は並大抵のものではないことが予想される一度でも受身に入ってしまえば、ファールを冒してでも食い止めねばならずセットプレーの機会が増えるだろう。守備からゲームの主導権を握り、先制点を奪うことができれば勝ち点3は向こうから転がり込んでくる。追加点を2試合連続で奪えるかどうか。この点に注目して土曜日の試合を待ちたいと思う。・・・こう書いておいて、あっさり0-1で負けるのがコンサドーレなんだけど。今年は大丈夫だと信じて筆を置くことにする。
2016年03月22日
2-0.強敵というより凶敵とも言える清水エスパルス。そしてその本拠地IAIスタジアム日本平。その地でついに勝ち点3をもぎ取った。鬼門突破となったこの試合。思うところがあったので、振り返ってみたいと思う。
74.1%。この数値が示すデータは「先制点を入れたチームが勝つ確率」である。W杯に限定しており、しかも1930年大会~2006年大会における決勝トーナメントに限ったデータであるという但し書きは付く。加えて16チームが決勝トーナメントに進出する現行方式になった1986年大会~2006年大会に絞ると、勝率は80.7%へ上昇する。
なぜこの数字を挙げたか。それは先制点がこの試合に与えた影響が明らかに大きかったからだ。J’sGoalに掲載されている清水VS札幌のウォーミングアップコラムから大前元紀のコメントを引用したい。「(松本戦は)ボールを支配できて自分たちのゲームだったし、自分たちのほうがチャンスがあった。愛媛戦のように、引いた相手に何もできないという試合ではなかったので、あとは最後の精度だけだと思います。」また、村田和哉、小林伸二監督のコメントにも共通して出てくる言葉がある「精度を上げる」。前半15分までエスパルスはホームの利を活かし、縦横無尽にコンサドーレのDF網を切り裂いた。前線からのプレスで前寛之が繰り紛れに出したパスをカットし素早いカウンターで札幌ゴールに迫った前半4分のプレー。前半11分には札幌ボランチとDFラインのギャップを衝き、ボールを収めた河井陽介からオフサイドラインを掻い潜った石毛秀樹へ渡ったクロスボール。ダイレクトで合わせたものの「精度を欠き」ボールは無情にもゴールラインを割った。
改めて書き起こしても心臓に悪いシーンが続いている。おそらく清水サポーターは思ったはずだ、「ほっといても点は入る」と。そしてそれはプレーする選手たちにも広がっていった。「この試合の主導権は清水のものだ。」主導権を握った清水は石毛のシュート以降、じっくりとDFラインから攻撃を組み立て始める。これが監督の指示だったかは分からない。分からないが、確かなことがある。ここでプレースピードを緩めてしまったことが敗戦の遠因になってしまったということだ。
そもそも両チームの目標が違う。まず清水エスパルスがこの試合で得たいものは「勝利に伴う勝ち点3」であり「昨年5月30日以来となるホームでの勝利」だ。翻って北海道コンサドーレ札幌の目標は「勝ち点獲得」。引き分けでもかまわず、「スコアレスドロー上等」だったのだ。そのチーム相手に開始直後からプレッシャーを掛けゴールマウスを抉じ開ける寸前まで行ったにも関わらず、清水はボール狩りに来た相手FWを引き剥がしてからの「真っ当なカウンター」を志向した。その結果、気合を入れ直した宮澤裕樹を中心とする前寛之・深井一希の3ボランチにパスを刈り取られ、最悪の結末を招いた。
加えて「5cmの差」がある。単純なことだが、セットプレーにおいて重要な点は何か。それは「精度の高いキッカー」と「フィジカルに優れたポストプレイヤー」だ。コンサドーレとエスパルスのスターティングメンバーの平均身長を比較すると、5cmコンサドーレの方が高い。前半22分の右サイドからの札幌CKのシーン。191cmの増川隆洋のマークについたビョン・ジュンボンは185cmだった。そして彼のオウンゴールが先制点となる。不運な形で失点してしまった清水だったが、慌てず騒がずじっくりと攻撃を組み立てていく。だが無情にも次の1点も札幌に加わってしまう。ついに慌て出した清水は、つい先日リオ五輪予選でなでしこジャパンと同じく禁断の果実に手を出す。そう、サイドを切り裂いてゴール前にクロスを上げるというサイドアタックだ。攻撃しているという満足感は得られるが考えてみて欲しい。65分に186cmミッチェル・デュークを入れるまで前線でターゲットとなりうるのは180cmの北川航也しかいなかった。そしてあっさりと札幌DF陣に弾き返された。にも関わらず、清水はというより小林伸二監督はサイドからクロスを送りターゲットに当てるという策に固執した。186cmの電柱を投入したことから考えても、これは監督の策だったことは容易に推測できる。コンサドーレは「さぁ店じまい」とばかりに68分に櫛引一紀、79分に稲本潤一と着実に逃げ切り体制を整えていく。終わってみれば清水のシュートは8本。奇しくも清水にとっては「最後の精度」が継続課題となる悔しい敗戦となった。
これが先制点の恐ろしさだ。「最後の精度」なんて社長である野々村芳和のお題目のようなものだ。仮に前半15分までのオレンジの津波に吞まれていたら、あっさりと鬼門は鬼門のまま聳え立ち続けていただろう。過去のデータなどあてにならないと嘯いてみたいが、やはり先制点がもたらす勝利の確率はやすやすと揺らぐものではないようだ。
最後になるが、試合前にアップした記事で個人的に注目している選手として堀米悠斗の名を挙げた。得点にこそ絡まなかったものの効果的なポジショニングからパスを引き出し、マセードが控える右サイドと並び立ちサイド攻撃の起点となっていた。後半の都倉賢が自ら持ち込んだカウンターのシーンでも、ゴール前に走りこみクロスに備えるなど試合勘は鈍っていないことを感じさせた。復調してきた福森晃斗とともに左サイドで攻撃を牽引してもらいたい。
「ともに歴史を作ろう」これはコンサドーレ札幌ユースで歌われるチャントの一節である。このチャントに背中を押され、目標にチャレンジしてきた選手たちが今ピッチで躍動している。15年ぶり。初めての敵地での勝利。作ろう。塗り替えよう。「今年こそ、いくぞ!J1!コンサドーレ!」
2016年03月20日
鬼門である。古豪、清水エスパルス。過去15戦対戦してコンサドーレが勝利を収めたのは僅かに1度のみ。そして日本平における試合では引き分けすらない。私もかつて天皇杯を観戦しに足を運んだことがあるが、開始1分経たないうちに裏を取られ永井雄一郎に先制点を許し無様な敗戦を見せ付けられた苦い思い出が蘇ってくる。
その日本平だ。今はネーミングライツの関係からIAIスタジアム日本平となっているが、Jリーグベストピッチ賞を全国のスタジアムで最多の9度受賞しているその美しいピッチが牙を剥いてくる。エスパルスの志向するパスサッカーに合わせて短く刈り込まれ水を撒かれた芝は球足が速く、慣れていない選手のとっては足をとられる最悪の環境となる。まさしくアウェイの洗礼。これに「勝ちロコ」に代表されるサンバのリズムで選手を後押しするオレンジの悪魔たちの大声援がプレッシャーとなって押し寄せてくる。
試合を落ち着かせるにはベテランの力は不可欠である。アキレス腱を痛めた河合竜二に代わり、3バックの中心には増川隆洋が陣取る。開幕戦こそコンディションが上がりきらず、あっさりと裏を取られ戦犯の一人に名を連ねてしまったが、まだまだ実力を出し切っていないのは彼の戦歴が物語っている。一抹の不安があるとすれば、前述した滑りやすいピッチとパスサッカーだ。また裏を取られるのではないか。この不安が首をもたげてくる。無論増川本人も自覚はあるだろう。だが、その中でいかにラインを上げ、コンパクトな陣形を維持するか。ここが闘莉王が攻めあがったDFラインを統括し、カウンターの芽を摘んでいった2010年Jリーグベストイレブンの腕の見せ所だろう。
また堀米悠斗、前寛之もスタメンに名を連ねるだろうとの予想もある。「まだまだ勝負に徹する時のピリピリした感じが足りないというか、そう言われてもしょうがないという感じかな。」と、先日の愛媛戦での失点を野々村社長に評された上原慎也に代わりスタメンに返り咲いた堀米に個人的には注目している。左サイドは福森晃斗がパフォーマンスに若干精彩を欠いており、攻撃の起点となり切れていない現状がある。そこを堀米がどう改善するのか。また、ユース育ちの深井一希・前寛之のWボランチからどのようにパスを引き出すのか。この辺りに注目したいと思う。
とにもかくにもあと2時間ほどで運命のキックオフだ。ここで勝ち点の上積みが出来ないようであれば、スタートダッシュに「失敗」したと言わざるをを得なくなる。鬼門だ。この鬼を倒せば光が差す。赤黒の勇者たちよ!いざ勝負!!
2016年03月15日
負けなかったことを褒めるべきか、勝ち切れなかったことを貶すべきか。あまりにも初歩的な「お見合い」というミスを、後半開始早々に見せ付けられては後者に傾斜せざるを得まい。石井の負傷により急遽出場したとはいえ、ハーフタイムを挟めばチーム戦術の共有とかできると思うんだけどな上原慎也よ。共演者となった福森も精彩を欠いていた。昨年よく見られた彼からのロングフィードは鳴りを潜め、DFラインからの攻撃の組み立ては河合竜二からのどっせいフィードに頼る破目になってしまった。ジュリーニョと都倉の2トップの連携が高まってきているなか、後ろからの効果的なフィードがなければ前線の停滞を招く。効果的な裏へのフィードがあってこそ、彼らの特徴が生きる。
3試合終わって1勝1敗1分の勝ち点4で8位。次の試合で勝ち点3を上積みできれば、ようやく昇格レースのスタートラインに立てる。相手は難敵、清水エスパルス。昨年は目を覆いたくなるような体たらくであえなく降格となったが、今年は智将小林伸二を監督に迎え遮二無二J1への昇格を狙っている。どうにも後半の入りに課題を抱えているコンサドーレだが、次の試合でどのように立て直してくるのか。四方田監督の手腕に期待している。
2016年03月13日
一人の男がピッチに別れを告げる日。多くのサポーターに愛され、「俺たちの」という冠をつけて鼓舞されてきた男。砂川誠がピッチに別れを告げる。
北海道コンサドーレ札幌の新たな一日となる。名称変更して最初のホーム開幕戦。この週末の北海道新聞1面にはホーム開幕をPRする広告が踊っていた。「何人くらい来るんだろうか」チームの人気を図る一番分かりやすい指標が観客動員数である。『圧倒的入場者数 北海道のチカラを見せ付けろ!』コンサドーレの公式ホームページは刺激的な文句で開幕戦を煽り立てている。
ひとつの時代が終わり、新しい時代が来る。進藤、深井、堀米、中原、荒野、櫛引、神田。さぁ、扉をぶち破れ!!行こうJ1!!
2016年03月09日
第2戦目前日。僕は今試合に臨むにあたりこのように書いた。「必要以上に守備的になりズルズルと下がっていたラインは、福森・進藤という両サイドの勇気に掛かっている。」拙い文章を引用するのは恥ずかしいが、実際に気になっていたのは、彼らの働きだったことは間違いなかった。とはいうものの、福森の働きは若干物足りないと言わざるを得ない。評価するならば、彼が最終ラインに鎮座し長距離砲として展開を司るという安心感は何者にも代え難いという点だろう。
…彼が前線に攻めあがれなかった理由は、彼の相棒にある。進藤 亮佑。4-0で最良の結果となったFC岐阜戦。見事に都倉賢がハットトリックを決めた。その3点目だ。起点となったのはインターセプトからの都倉のドリブルだ。前節の鬱憤晴らしとばかりにボールをゴールにブチ込みノッている彼がスピードに乗ったドルブルでゴールに迫り、自分のゴールのお膳立てとばかりに味方にパスを出す。折り返したボールが知らず知らずのうちに画面の外から攻めあがってきた進藤の下へと届く。「ボールが柔らかかったからバランスを崩したけど、とっさに足が出て良かった。」これが尻餅を搗きながらも気合でゴール前にボールを運んだ奴の台詞だ。この思いは確かに届き、反転し打ち抜いたボールはゴールを揺らした。もう二度と起きないかも知れない。だが彼のJリーグ初アシストという記録は消えることはない。ゴールを決めた帳本人である都倉賢は公式戦でゴールを決められない中原彰吾にこう言った。「綺麗に決まらなくたってゴールはゴール。俺の初ゴールは腹で押し込んだ。」だいたいこんな感じ。ゴールをアシストに変えれば同じだ。結果は同じ。ゴールという結果と勝利という勝ち点3の積み上げが残る。
荒削りは若手の特権だ。それ以上に彼らの我武者羅さがチームに与える影響のほうが大きい。それが4-0という結果を生み、いずれはJ1昇格という果実を実らせてくれること祈らずにはいられない。来週はいよいよホーム札幌ドームでの開幕戦だ。相手は難敵愛媛FC。ホーム開幕戦にはいい思い出がないが、そんな記憶も「知らないね、俺は俺だぜ?」とばかりに若手の勢いで乗り越えてもらいたい。そんな快勝を期待している。
2016年03月05日
「伸二は多分、本当に痛いんだと思いますよ。」重ねてこうも言った。「まあ、でもスタートは出たいんですよね!いくつになっても!」開幕戦の魔力とは恐ろしいものだ。昨日のラジオで野々村社長は左でん部の違和感で別メニュー調整となっている小野伸二の状況についてこのように語った。動きにキレがなく、数人に囲まれてはボールを失っていた彼の精彩を欠いたプレーの理由はそこにあったようだ。
僕らだってそうだ。無理をする。「せっかくだから」この言葉でどこまで行っただろう。試合がないと行く機会がないからと何処まで行っただろう。ましてそれが開幕戦なら。2011年3月5日愛媛。晴れた空とは無縁のどんよりと暗澹たる気持ちにさせる試合内容に、明るいうちから自棄酒を呷った。4200人。よくもまあ集まったものだ。全国各地津々浦々から90分を見届けるためだけに。「本当にもうアレですよ、『なにしてんだッ!』って本気で思って本気で言ってました。」社長が口にしたこの思いは僕らの思いだ。僕ら以上にプレーしている選手たちも同じように思っていたのではないだろうか。「なにやってんだ、俺!」と。
明日の試合は開幕戦とメンバーを大分入れ替えてくるだろう。昨夜のコンサにアシストにおける予想と今朝のスポーツ各紙の予想ですら異なっており、四方田監督の苦悩の跡が見え隠れする。必要以上に守備的になりズルズルと下がっていたラインは、福森・進藤という両サイドの勇気に掛かっている。頭はクールにハートは熱く。陣形をコンパクトに保ち、岐阜のゴールに襲い掛かるには最終ラインからの押上げが不可欠だ。ふわふわしていた気持ちにキツイお灸を据えられた形になった開幕戦。凝りも解れて肩の荷が下りたことだろう。さぁ反撃と行こうじゃないか。
2016年03月02日
「キャンプでやってきたことを出そうとトライしたけど、まったく出せなかった。」日韓W杯でゴールを決め、アーセナルを始め世界を股にかけて活躍した稲本潤一ですら吞み込んでしまう開幕戦というプレッシャー。陣形をコンパクトに保てず、攻撃陣にも感覚のズレがあった。端的に言えば「仕上っていなかった」ということだろう。
マセードにはドリブルでの仕掛けなどの積極性が欠け、ジュリーニョは守備の連携に不安を抱え中途半端なプレーに終始した。頼みの小野伸二は味方のフォローが少ない中で孤立し、ボールを失うシーンが散見された。石井謙伍のドリブルでの仕掛けは得点の匂いを感じさせてくれたものの、強化部が更なる梃入れを図ったのも頷ける。増川隆洋がベテランの妙技を見せ付けるかと思いきや、裏を取られるのを怖がるあまり陣形が伸びる遠因となってしまった。
仕上がっていないのだ。早い話がそれだけのこと。熊本合宿は継続中だ。開幕戦の反省点を共有し、感覚のズレを摺り合わせ連携を立て直していく猶予は与えられている。
本稿を書いている横では、なでしこジャパンが韓国と五輪最終予選を戦っている。1-3でオーストラリアに敗れた日本代表だったが、なんとか立て直し攻撃の積極性が出てきた。後半10分を経過しまだ0-0ではあるが、得点の匂いがする良い攻撃を見せている。
敗れることで学ぶこともある。勝つに越したことはないが、まだ41試合残っているのだ。だが、次の岐阜戦。無抵抗で敗れることがあれば、これは問題だ。四方田監督がどの程度開幕戦とメンバーを入れ替えてくるか。それともあえて同じメンバーで臨むのか。開幕戦の悔しさを爆発させて、僕らの鬱憤も晴らしてくれる、そんな勝利を望んでいる。
2016年02月27日
川崎VS広島の1戦を見ながら、記事を書いている。選手名鑑や専門誌に眼を通していないので知らなかったが、奈良が川崎の3番を背負いスタメンを張っている。出場機会に恵まれず、移籍を決断した彼の選択は現時点で成功だったといえるだろう。目立ったポカもなく声を張り上げラインを整える姿勢から、五輪代表に選出されたことが自信の裏付けになっているんだと伝わってくる。大きな怪我なくリオ五輪の舞台を踏むことを祈っている。
さて開幕だ。すでに機上の人となり決戦の地に降り立ったサポーターも多いだろう。ブラジル人トリオの中からはジュリーニョ、マセードがスタメンに名を連ねるとの報道もある。そして何より進藤だ。ユース育ちには珍しく自己アピールが上手い選手だ。声を出し自分からノッていく選手は周りにも好影響を与える。コーチングは勿論のこと、声を出すことが癖になっていればプレーに対する摺り合わせも容易だ。プレー中も寡黙な選手というのは想像するが難しいが、コンサドーレU-18はかつて「静かな」サッカーを志向していた。しばらく見ていないのでなんとも言えないが、現在も東雁来ではサポーターの声だけが響き渡っているのだろうか。
話が逸れた。若手の突き上げがチーム力の底上げにつながると常々書いてきた。どこかから借りてきた台詞ではあるが、至言である。小野・稲本という黄金世代。彼らの牙城を崩し、引導を渡してやる選手の出現がコンサドーレを次のステージへと導くだろう。そのスタートが明日だ。
「開幕戦ってそんなに簡単じゃないと思うんですね。どのチームもモチベーションが高いわけで、あんまり大差がつくということが起こりにくいのが開幕戦だと思う。でもその中でも、案外それなりの差をつけて勝ってくれないかなあって(笑)。」とは野々村社長の弁だ。この気持ちはサポーター諸兄も同じだろう。旨い酒を飲もう!今言えるのはそれだけだ。頑張れ!北海道コンサドーレ札幌!
2016年02月21日
1週間前。…になってしまったと言うべきか、それともなった、なってくれたと言うべきか。ブラジル人トリオのチームへの融合がイマイチであるとか、若手中心の大分に伸されたとか不安要素は勿論ある。でも開幕だ。心が躍るじゃないか。練習試合はあくまでも練習。プレシーズンマッチはあくまでプレ。開き直ってしまえばこういうことだ。どんな結果が出ようとももはや開き直るしかない。
たった1週間、されど1週間。時間は有限である。もはや1サポーターである諸兄に出来ることは少ない。出来ることは祈ることと叫ぶこと。そうテレビの前でもいい、味の素スタジアムでもいい。彼らを支えることだ。内村圭宏が帰ってきた。彼はかつてこう豪語した。「撃てば入る!」打ち出の小槌のようにゴールを量産し、2011年チームをJ1昇格へ導いた。順位は乱高下したが楽しいシーズンだった。
「面白くなければ人は動かん!」草刈正雄扮する真田真幸はこう喝破した。後半1点でも勝ち越していれば四方田監督は迷うことなく5バックに布陣を整えるだろう。それを「つまらない」とぼやくか、「勇気ある決断」ともてはやすか。それは各個人の主観にまかせたい。だが。昨年喫した引き分けは15。失った勝ち点30という数字をどのように捉えるかも各人の主観に判断を委ねるしかない。楽しもうじゃないか。今年のJ2に漕ぎ出す航海は今年しか味わえないものだ。一喜一憂しよう。負けが続くこともあるだろう。近年は大型連勝は少ないが、もしかしたら今年は8連勝ぐらいするかもしれない。
今年も面白いシーズンが幕を開ける。ピッチで躍動する彼らと面白おかしく駆け抜けていこう!
2016年02月14日
2-0.ニューイヤーカップ最終戦から数えて4連勝、そして3試合連続完封勝利と順調にキャンプをこなしている。稲本潤一のゴールは決めた本人が「あれは事故みたいなもの」と苦笑するように評価が難しいものではあるが、常にゴールを意識してプレーする彼だからこそ産まれたものだと前向きに評価したい。そしてなにより都倉の相棒として90分フル出場したジュニーニョ。1-0とリードした後半に1点を守り切る実践練習に切り替えた札幌。その中で産まれたカウンターからのゴール。まだ体を絞り切れていないように思われたが、相手DF3人を振り切り冷静に決めて見せた。自身のアピールポイントを「ドリブル突破からのゴール」と言い切り、今後の課題として「守備の改善」と謙虚に自身のプレーを見つめる冷静さを兼ね備えていた。
他方マセードである。ニューイヤーカップで見せた攻め上がりは鳴りを潜め、中途半端なプレイに終始した。勿論強風なうえ足の長い芝というピッチコンディションのため、早いパス回しは見られず前半は解説に5バックと揶揄されるくらいラインも下がっていた。その点を割り引いたとしても、マセードのプレーは精彩を欠いたものだったと言わざるを得ない。都倉もプレー観のズレを感じたのか前半終わり間際に通訳を交えて考えの擦り合わせを行っていた。四方田監督もプレーの中で連携の向上を図ったが、今日の試合では満足のいく出来とはならなかったようだ。
新加入選手との連携構築はこの時期のチームに等しく付きまとう課題だ。いかに早く一体感を高めるか。監督の腕の見せ所である。あと2試合練習試合を予定していると聞いている。率直に言って進藤亮佑のスタメン出場は驚いた。ニューイヤーカップでの得点もさることながら、J1相手の練習試合でも着実に実績を積み重ねてきたのだろう。若手の成長がチームに良い新陳代謝をもたらし、更なるチームの成長につながる。この「突き上げ」がシーズン中にも持続することを祈っている。
2016年02月07日
1月17日からスタートした沖縄キャンプも早3週間となった。10日から熊本に移り、戦術練習をメインとした総仕上げに入る。フィジカル面を苛め抜いて1年間戦い抜ける体を作るのは勿論のこと、更なるレベルアップを図らなくてはならないというのも地獄のキャンプの地獄たる由縁だろう。
0-1、0-1、4-2、1-2、1-0。3勝2敗。東京ヴェルディ、FC東京、FC琉球、湘南ベルマーレ、そして川崎フロンターレ。天候に左右された試合が多かったように思われるが、その中でJ1チーム相手に無失点で凌ぐことができたというが収穫だと思われる。得点については寂しいものがあり、都倉賢の好調振りが目立つ結果になっている。やはり新加入のヘイスの存在が良い意味でハッパになっているのではないだろうか。都倉が得点王争いに加わってくるとJ2中位からの脱却と自動昇格圏争いまで見えてくるだろう。
ここで気になるのが相棒選びになる。昨季後半から師弟コンビとして名を売った荒野拓馬。そして「暴れん坊」ヘイス。ここに怪我で出遅れている内村圭宏。もしくはようやく初ゴールを決めた中原彰吾、昨日の練習試合で2トップに入っていたジュリーニョあたりが候補となるのではないかと見ている。
やはりゴールの数だ。昨年のコンサドーレの総得点は47。自動昇格圏を争った4チームは60~70点取っている。ゴールネットを揺らさない限り勝ち点3は奪えない。「ゴール前のクオリティ」。今年の補強ポイントは明白だ。チャンスは作れるが、決め切れない。ならばチャンスの「質」を上げたうえで、ゴール前での「決定力」を底上げする。そのためのマセード、ジュリーニョでありヘイスなのだ。ヘイスがまだ試合に出ていないので何ともいえないのだが、評判どおりならば「決定力」はかなり向上が見込まれる。
小野伸二曰く、「今年の外国人はアタリ」なんだそうだ。今までのところ目立った怪我人もなく順調に経過してきている。あとはヘイス。彼のプレーが待ち遠しい。
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98年J1参入決定戦に敗れ涙に暮れる札幌サポを見たことで、コンサ愛に目覚めた非道民。 何の因果か札幌に居を構え、試合結果に1週間のテンションを左右される日々。 いい年こいてまだ中二病が完治していない。 思い出とコンサの試合と日常をミキサーに投げ入れて、味の素で整えた文章を提供していく。 ご笑覧いただければ幸いだ。
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