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JFAプレミアカップから見る北海道サッカーの危機(2)

2014年05月16日

 前回はこちら。↓
 http://www.consadole.net/higuma/article/352

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 柏に0-3で完敗。  負けたこと自体はこの際仕方がない。何度も書くけど力の差があり過ぎた。  サッカーだけを見ればそう悪い内容ではなかったのですよ。初戦の緊張も多少はあったかもしれません。でも、相手が3ナンバー車でこっちが軽。そのくらいの余裕が柏にはあった。札幌が一杯に吹かしてもゴールは遠かった。シュート数は7対10(注・訂正しました)。決定機だってあった。「完敗」ではあっても決して「惨敗」ではなかったと思うんです。  とは言え、自分たちの持っている力を存分に発揮できない…いや、そりゃ向こうが強いんだからしょーがねぇんだけど、発揮させる術すらつかめないでいるような、あるいはそもそも発揮させる術をつかもうとする気持ちすら感じないような、要するに「ちょっとそりゃどうなんだよお前さん」的な札幌U-15の戦いぶりに、ピッチサイドの大人たちもどうにも言いようのないもやもや感に包まれてしまいました。
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 もやもやの理由はいくつかある。代表的なものが「声がない」。  プレーしている選手たちの声が柏のイレブンたちからのものだけで、札幌の選手たちの声がまったく…と言うと過ぎるかもしれないんだけど、とにかくそう言っていいほど聞こえてこない。道産子サッカーの輝かしい(?)伝統なのか否なのか、堂々たる「サイレント・サッカー」なのです。札幌に限らず過去幾多の道内チームのサッカーを「全国」の舞台で眺めつつ「声がねぇなぁ」と感じていたもので、その度に「能力開発サッカーだ!」「テレパシーで会話しているのだ!」と冗談めかして言っておりましたが、ここまで「沈黙のイレブン」を見ているとうすら寒さすら感じてしまいました。いい天気で陽に焼けたんだけど。  しかしこのサッカーで道予選をさっくり勝ち抜いてきているのもまた事実。道内予選では「声を出してはいかん!Quiet please!」というローカルルールでやっているに違いない。今度出口さん(道協会会長)に会ったら聞いてみよう。  「おいおい!そんなことないよぉ!」というでーさんの声が聞こえてきそうな中で第2戦。試合は待ってはくれない。初日は午後から第2試合の愛媛FC戦が行われます。向こうも大分に初戦敗退し、生き残るには絶対に負けられない試合となってしまいました。面倒だな。
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●5/3(土)14:10~ 愛媛FCジュニアユース戦(Pitch S3天然芝)  試合前にはイレブンから笑顔も覗いた。堅さはすっかり消え、初戦敗退のショックも薄れたらしい印象を受けた。  柏に比べれば互いの力量は拮抗している。相手アタッキングサードまでは容易にボールを運べる。逆に中盤を破られピンチもある。あくまでサッカーの試合としては見ごたえのある試合でした。  先制された失点シーンは放り込まれたボールが不規則なバウンドをしたもの。そこだけを見ればハードラックだったとは思う。2失点めは自陣内で味方のスローインのボールを相手にかっさらわれ蹴りこまれた。3点目は前がかりになったところをカウンターで突かれた。いずれも公式記録には「相手FP(GK)」の文字が並ぶ。3点中2点は加えて「こぼれ球」という記載もある。つまり、防ごうと思えば防げる失点だったのではないかと思う。  対して攻撃は前半は好機は作るもののシュートの意識に乏しかった。後半こそ6本を放ち合計札幌8対愛媛14(注・訂正しました)となり、うち前半23分に佐藤大樹が相手ゴール前のフリーキックを左足で直接決め、試合終了間際になって相手左サイド(札幌から見て右)を破り最後は飯野敬太が押し込んだ。仮にあと10分試合時間が長かったら追いつけたかもしれない。が、30分ハーフの試合は終わり、あと1点が遠かった。2-3。2連敗。この時点でグループラウンド敗退が確定(確定)。  試合の模様はこちらの動画で↓  https://www.youtube.com/watch?v=GKQyvfy4Ats  ちなみにこの2チームは昨年も対戦しています。ゴールシーンダイジェスト↓  https://www.youtube.com/watch?v=4UDwsDjHNmk
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 選手はさすがにガックリ。  「そんなに恥ずかしいから声を出さないのかなぁ」自らも道産子であり、仕事の関係で関西に在住している通称かつ兄ぃがつぶやきます。  ンなこたぁないでしょうと前足を振り「コンサドーレの赤黒のユニフォームを着てサッカーやっていて、それが恥ずかしいのならいっそ辞めちまえばいいでショ」と、生まれも育ちも横浜のひぐまさんわ「恥ずかしい論」は完全否定させていただいたのですけれど、タイコを叩いていたO森さん含め再起不能の連中の結論としては「このままぢゃいかん」でした。「いかん」と言ったところでやっているのは選手たちだ。ピッチの外にいるオレたちに画期的な打開策を披露できるはずもなく、視線は選手たちと血がつながっている皆さんの方へ向きます。  今大会、我々のような救いようのない、かわいそぉ~なサポーターの応援のマネごとやってます的な連中は別にして、遠方の札幌からも選手のお母さんたち4人が駆け付けておりました。昨年デビューという横断幕を手に皆さん大変に優しそうな方々でして、そんなお母様方に失礼を承知で聞いてみたのです。  「子供たちは…みんな自分から『サッカーやりたい』『コンサドーレに入りたい』と言って、サッカーやってンですよね? 『やれ!』とけしかけてやらされている子なんかいませんよね?」と。  お母さんたちは全員大きくかぶりを振って「いえいえ」「本人が『やりたい』と言いました」と、あくまで子供たちの意思で赤黒のユニフォームに袖を通しているのだと強調しました。それは本当でしょう。選手の彼らが生まれた時点ではサッカーは日本を代表するぐらいの人気スポーツとなっており、かつコンサドーレは…J1には定着できませんけれど(泣)…道内サッカー界をリードする存在となっていたわけです。トップはともかく(←ここ重要。試験に出ます)、ユースはU-18、U-15合わせて準優勝と優勝の合計数が両手を使わないと計算できなくなるほど全国屈指の強豪という評判を取るに至っています。入れるモンなら入りたい。入って自分の実力を伸ばしたい。大きな舞台で輝きたい…と、子供ならではの夢を抱いて札幌ユースの門をくぐったに違いありません。門なんかねぇんだけど。札幌ユース誇らしい!  そんな誇り高いチームに自らの意志でもってセレクションを受けて入ってきている子たちは、運動選手としての素質はもちろん、単純に人間としても秀でた資質を有しているはずです。過去そんな子どもたちが集まってチームを形成し、これまで幾多の強豪との真剣勝負を繰り返して成長を遂げていったのです。多少…ホントに「多少」ね(^^;;…声が少ないことぐらい、僕らも懸念はしていてもここまで危機感を持って捕らえたことなどなかったのでしょう。
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 S級はもちろんキッズリーダーのライセンスすら持ち合わせていないオレが言うのもおかしいんだけど、思いっきり単純な話、たとえばキーパーならまず2つの単語だけ的確に素早く発することができれば格好がつくのよ(推定)。「キーパー!」か「クリアー!」か(断定)。DFラインのウラに抜けてきたボールやサイドからのクロスに対し、自分が出て責任を持ってプレーをする場合は「キーパー!」(注・「オーケー」ではない。「オーケー」では何が「オーケー」なのか味方選手には瞬時に判断できない)で、フィールドプレーヤーに処理を任せるときは「クリアー!」。この2つを基本として「飛び込むな!」「○番見ろ!」「右だ!」「左だ!」などの派生形があるのであって、これらを「的確」に「素早く」発するために普段からの練習が存在しているのだと思う。  フィールドプレーヤーも似たり寄ったりだ。のべつ試合時間中ずーーーっとしゃべくりまくっていろなどとは言わない。Sんまちゃんみたいに「いやーもうホンマ参りましたワー、ハーッ(引き笑い)」なんて試合中しゃべっていたら退場食らうかもしれない(推定)。基本的には自分より後ろ=視野を確保できる位置からの声を大切に「ターン!」もしくは「マノン!」で味方を動かしていけると思う。無論実戦となるともっと応用が必要になるが、それを練習で身につけるのは前述のとおり。
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 「声が少ない」。  これだけでも長年鬱積している北海道サッカーの大きな課題と言えるのですが、特に今年の札幌U-15からは、それ以外の問題点も顕在化してきておりました。  つづきは次回。たぶんあさってあたり(笑)。
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 筆がノッてきたのであと3回くらいは続ける(推定)。



post by higuma

09:31

コメント(2)

この記事に対するコメント一覧

30

Re:JFAプレミアカップから見る北海道サッカーの危機(2)

2014/05/16 12:06

お初です(かなぁ…違うかも…) 先日のU18の青森山田戦もサイレントな試合でしたw 結果が出ていればサイレントでも笑い話ですが、 こうも不振を極めると、嫌でも目立ちますね… 育成世代なので結果はさておき、サイレントゲームはなんとか克服して欲しいもんです。

ひぐまさん

Re:JFAプレミアカップから見る北海道サッカーの危機(2)

2014/05/16 14:07

> 30さん コメントありがとうございます。 困りましたねぇ…。容易には克服できないと思います。 結論で触れますが、これから全国大会は本格化していきます。 なんとかチームとして成長していってほしいものです。

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