2006年07月30日
札幌・黒星スタート【福島】 第30回日本クラブユース選手権(U-18)は29日、福島県楢葉町のJヴィレッジで開幕し、グループリーグの初戦に登場したコンサドーレ札幌U-18はジェフ千葉・市原ユースと対戦し、0-1で敗れた。札幌のグループリーグ第2戦はきょう30日にヴィッセル神戸ユースとの間で行われる。 意図見えず完敗 スコアこそ0-1の接戦だったが、内容的には札幌の完敗だった。 例年なら灼熱の太陽が照りつけ気温も30℃を超えることも珍しくないこの大会。この日の試合時点での気象条件は曇りで23℃。札幌にとっては願ってもないコンディションではあった。先の北海道プリンスリーグで予想外の5位に終わり、高円宮杯全日本ユース選手権への出場権を得られなかった札幌にとって、この大会は最後のチャンス。「全国の強豪と真剣勝負が出来る機会がなくなってしまうのが育成にとって痛いところ」(赤池GKコーチ)であるだけに、出場権を得られる決勝戦への進出がひとつの目標になる。 試合は序盤こそ札幌が小気味よくパスをつないで攻め込むものの10分と続かず。フィジカルに勝る千葉がパスコースを切り、中盤での厳しいチェックを繰り返すと、札幌に何でもないミスが目立ち始める。 ところが千葉の出来も決して良いものではない。ボール支配率で圧倒するものの攻撃の最後の詰めが甘く、再三放ったミドルレンジのシュートも枠を捉えられない。互いに煮え切らない展開のまま前半を終了する。 後半に入ると札幌は左サイドの横野の位置を下げて4バックとし、守備の安定を図るが大勢は変わらず。千葉に主導権を握られ後手後手に回り3つも警告を受けるなど青息吐息の状態で時間が経過する。最後の最後の選手個々の球際での粘りと千葉の工夫のなさにも助けられスコアは動かなかったが、18分に与えたコーナーキックからの自陣ゴール前でのプレーでDF熊澤が相手選手を倒してしまいPK。これを千葉FW小井土に決められ、この1点を取り返すことが出来ずにタイムアップの笛を聞いてしまった。 札幌は深い位置でマイボールになっても中盤から前の選手の動き出しが遅く、パスコースを作れない間に無理なパスや意図の見えないロビングボールを放ってボールを失う場面があまりにも多く、チームとして何をやろうとしているのかさえ見えない。昨年の藤田やかつての石井、新居といった絶対的な存在がいるのならともかく、全体的に小粒な印象を受ける今年はチーム全体がひとつにまとまって戦わねばならない。いや、先の彼らがいた時代も彼らの突出した能力を最大限に生かそうと、チームはまとまっていたのである。 今大会は6つのグループリーグから8チームしか決勝トーナメントへ進出できない。つまり4チーム中の2位では他グループの2位との勝ち点・得失点差の関係で必ずしも進出できない。きょうの対戦相手であるヴィッセル神戸には2年前の日本クラブユース選手権U-15で対戦しVゴールで退けた当時のメンバーが多数いる。リベンジに燃える彼らは相手にとって不足はない。札幌は受身に回ることなく、終始主導権を握り攻めきる札幌らしいサッカーを見せてほしい。