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経営状況で見るコンサの現在地4(興行+その他収入)

2013年04月06日

少し視点を変えて、広告料とJリーグ配分金を除いた収益では、どうなるのか?
広告料収入は親会社やスポンサー企業規模による補正、
Jリーグ配分金は1部/2部の違いや放映権分配の補正がかかるため、
これらを除いたサッカーにまつわる事業規模の目安としてみた。

★2011年J1入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順(百万円)
 広告と配分金除く 営業収益
浦和  3,293  5,382
鹿島  2,074  4,165
横浜FM 2,012  3,463
G大阪  1,855  3,817
名古屋 1,821  4,196
清水  1,653  3,118
木白  1,435  3,543
川崎F  1,324  3,275
磐田  1,229  3,151
仙台  1,177  2,097
神戸  1,145  2,059
新潟  1,089  2,227
広島  1,005  2,676
C大阪   943  2,527
山形   759  1,239
大宮   633  2,775
甲府   614  1,465
福岡   598  1,246
============
平均  1,370  2,912
(札幌  796  1,297★J2/2011)
(札幌  662  1,345★J1/2012)

浦和が突出。
山形が営業収益最下位脱出して大宮より上に。これはすごい。
全体的に歴史がありバックボーンが強いクラブが上位に。
仙台、新潟は大健闘と言える。
仙台、新潟、山形のビジネスモデルは調査の価値が高そう。

★2011年J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順(百万円)
広告と配分金除く 営業収益
F東京 1,888 3,334
札幌  796 1,297★
千葉  692 2,422
京都  645 2,140
大分  476  960
東京V  464 1,075
湘南  352  670
栃木  347  748
岡山  342  797
鳥栖  337  689
鳥取  313  610
横浜FC 304 1,046
熊本  284  631
徳島  267  967
草津  256  562
北九州 254  521
愛媛  228  499
水戸  196  436
岐阜  189  448
富山  158  574
==========
平均  439  1,021
町田  121  242(参考)
松本  197  391(参考)
(札幌  662  1,345★J1/2012)

FC東京が突出。J1でも5番目に入る。
3億を切っているクラブは、本当に大変だろう。
2011年の札幌は、移籍金収入(ダニウソンの推定二億?)があったとはいえ、
J2では、かなり高い事業収入を得ていることがうかがえる。
千葉や京都より上とは思わなかった。

こうして見ると、札幌は興行収入とその他収入に依存している傾向がある。
その中でクラブが最も投資効果が高いと考えているのが【その他収入】と私は捉えている。
表向きは興行収入が最大の課題と言っているけれど、広告料収入とともに成績や経済状況に
左右されやすいので、【その他収入】で手堅く売り上げることが大切で、ここが柱となるクラブは
財政面でとても強くなるのではないだろうか。
その他収入とは主に
「ファンクラブ会費・ユース会費・スクール会費・選手移籍金・その他」を指す。
これらの中で対投資・費用効果が高く手堅い収入とは?
他にもいろいろありそうですね。


経営状況で見るコンサの現在地3(広告料収入依存度)

2013年04月05日

広告料に依存しているか確認するため、営業収益に締める広告料収入の割合順に並べ替えてみた。
★2011年J1営業収益に締める広告料収入の割合順(百万円)
 広告料割合 広告収入  営業収益
大宮  69%  1,924  2,775
C大阪  54%  1,361  2,527
磐田  54%  1,695  3,151
広島  54%  1,439  2,676
川崎F  53%  1,738  3,275
木白  53%  1,878  3,543
名古屋 51%  2,136  4,196
G大阪  46%  1,739  3,817
鹿島  44%  1,839  4,165
甲府  43%   635  1,465
新潟  41%   919  2,227
清水  39%  1,228  3,118
福岡  35%   441  1,246
横浜FM 35%  1,197  3,463
神戸  34%   708  2,059
浦和  34%  1,821  5,382
仙台  33%   682  2,097
山形  21%   258  1,239
==============
平均  45%  1,313  2,912
(札幌  31%  399  1,297★J2/2011)
(札幌  35%  475  1,345★J1/2012)

大宮が驚異の7割!経営不振で主要スポンサーが撤退!となったらどうするんだろう?
山形が驚異の2割!むしろこれは凄いことなのではないだろうか。
福岡、横浜FM、神戸、浦和、仙台、山形は、広告料に依存しすぎないバランスのとれた経営状態がうかがえる。
それでも広告料収入が多いに越したことはないのだけれど。


★2011年J2営業収益に締める広告料収入の割合順(百万円)
  割合  広告収入 営業収益
千葉  67% 1,622 2,422
京都  65% 1,395 2,140
徳島  62%  603  967
横浜FC 61%  643 1,046
富山  57%  327  574
東京V  49%  522 1,075
岡山  45%  362  797
栃木  41%  306  748
大分  41%  392  960
F東京  40% 1,336 3,334
熊本  39%  244  631
草津  38%  213  562
鳥栖  37%  253  689
愛媛  35%  175  499
岐阜  34%  153  448
湘南  34%  227  670
北九州 34%  176  521
鳥取  32%  193  610
水戸  31%  135  436
札幌  31%  399 1,297★
===========
平均  47%  484 1,021
町田  48%  117  242(参考)
松本  50%  194  391(参考)
(札幌  35%  475  1,345★J1/2012)

千葉、京都、徳島、横浜FCは、6割を超え、広告料収入に依存しているのが分かる。
富山も高いのだが、入場料など他の収入が低すぎるための数値という印象。
40%以下のクラブは、バランスの良さがうかがえる。
札幌は、広告料収入への依存度が2011年当時のJ2では最も低かった。
金額はともかく、バランスは取れていると言えるだろう。


経営状況で見るコンサの現在地2(広告料収入)

2013年04月04日

コンサの有価証券報告書が掲載されていた。
先週は無かったので今週のどこかで出たのだろう。

今回は興行収入に注目。

★2011年J1広告料収入順(百万円)
 広告料収入 営業収益
名古屋 2,136 4,196
大宮 1,924 2,775
木白 1,878 3,543
鹿島 1,839 4,165
浦和 1,821 5,382
G大阪 1,739 3,817
川崎F 1,738 3,275
磐田 1,695 3,151
広島 1,439 2,676
C大阪 1,361 2,527
清水 1,228 3,118
横浜FM1,197 3,463
新潟  919 2,227
神戸  708 2,059
仙台  682 2,097
甲府  635 1,465
福岡  441 1,246
山形  258 1,239
============
平均 1,313 2,912
(札幌 399 1,297★J2/2011)
(札幌 475 1,346★J1/2012)

営業収益のうち、広告料収入順に並べ替えてみた。
世界的企業が主要スポンサーの名古屋は納得。
大宮が2番目に浮上。こちらも世界的通信企業がスポンサーだから?
横浜FMは他と比べると低めで、広告料に依存しない経営へシフトしている様子がうかがえる。
他と比べると低いが、土地柄を考えると甲府が意外に多く感じる。

★2011年J2広告料収入順(百万円)
 広告料収入 営業収益
千葉 1,622 2,422
京都 1,395 2,140
F東京 1,336 3,334
横浜FC 643 1,046
徳島  603 967
東京V 522 1,075
札幌  399 1,297★
大分  392 960
岡山  362 797
富山  327 574
栃木  306 748
鳥栖  253 689
熊本  244 631
湘南  227 670
草津  213 562
鳥取  193 610
北九州 176 521
愛媛  175 499
岐阜  153 448
水戸  135 436
========
平均  484 1,021
町田  117 242(参考)
松本  194 391(参考)

札幌の広告料収入がとても低く見える。
地方クラブにとって、広告料収入が増える余地があまりない
(広告料単価は全国企業が揃う首都圏から比べると圧倒的に低い)ので、
4億を超えることはあっても、5~6億を見込むのは厳しいだろう。
北海道ブランドを活用した広告料収入モデルを構築せねばと考え込む。


経営状況で見るコンサの現在地(営業収益編)

2013年03月23日

コンサの有価証券報告書が出てくる時期に近付いてきた(?)ので、
今のうちに、Jリーグの各クラブの経営状態について復習。
現在地といいつつ、参考にしているのは2012年夏に開示された2011年データなので、
いまさら感はあるのだけれど・・・。

★2011年J1営業収益順(百万円)
浦和 5,382
名古屋4,196
鹿島 4,165
G大阪 3,817
木白 3,543
横浜FM3,463
川崎F 3,275
磐田 3,151
清水 3,118
大宮 2,775
広島 2,676
C大阪 2,527
新潟 2,227
仙台 2,097
神戸 2,059
甲府 1,465
福岡 1,246
山形 1,239
=======
平均 2,912
(札幌 1,297★J2)

様々な問題があり、少ない収益で残留するケースや、その逆もあり得るわけだが、
J1定着するには最低でも売上20億必要という証のようなデータ。
私が選手強化より財政強化が先決と思う根拠の1つでもある。

★2011年J2営業収益順(百万円)
	営業収益
F東京3,334
千葉 2,422
京都 2,140
札幌 1,297★
東京V1,075
横浜FC1,046
徳島   967
大分   960
岡山   797
栃木   748
鳥栖   689
湘南   670
熊本   631
鳥取   610
富山   574
草津   562
北九州  521
愛媛   499
岐阜   448
水戸   436
======
平均 1,021
=======
町田 242(参考)
松本 391(参考)

F東京はJ1上がったが、収益だけ見ると千葉、京都もJ2にいてはいけない気がする。
それらを除けば、コンサの収益は優秀に見えてしまう。
同じ地域に競合するチームがある東京Vや横浜FCの収益が凄いのは、
大都市&首都圏の恩恵と捉えるべきか?
大分は、もっと規模が小さいと思っていたが、意外に大きい。
とんでもない経営状態だったが、一定の投資効果があったと言える?
(無理矢理感はあるが、それなりに定着しているようだ)
大分の歴史・・・というより、プロクラブ経営の厳しさと地方の現実とスポーツ界の経営者人材難について
木村元彦さんの「社長・溝畑宏の天国と地獄 "大分トリニータの15年"」を読むことを薦める。
こういった先人の足跡を1つの糧にして、岡山や栃木といった後発のクラブが育っていることがうかがえる。