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札幌育ちの川崎在住。とても軟弱なサポーター。
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2025年01月13日
道新の報道で石屋製菓が6億円の追加出資をするということですがこの地では道新に接することができませんし、道新デジタルの契約はしていないので全文を読めず的外れな点があればお許しください。以下はあくまで石屋製菓が50%を超える筆頭株主になるという前提で書いています。
24年度のコンサドーレの収支が赤字になると三上GMが「GreatVictory」で語っていましたので、このことは24年度決算で債務超過になるということを意味します。それはJリーグクラブライセンスが不交付になるということです。
まずはJリーグクラブライセンスについてちょっと整理してみましょう。ライセンス交付を受けるには様々な項目をクリアしなければならないのですが、財務に関して3年連続での赤字計上、または債務超過になるとライセンス不交付という基準があります。コロナ禍の特例でこの基準は除外されていましたがその特例も23年度で終わり、24年度は猶予期間とされ25年度から通常の基準に戻ります。猶予期間の24年度の基準として以下の3点が明示されています。 ・前年度の債務超過が解消されていなくてもよいが、債務超過額が増加してはいけない。 ・新たに債務超過に陥ってはいけない。 ・3期連続赤字のカウントをスタートする(2024年度を1年目とする)。 これに関しては、公益社団法人日本プロサッカーリーグ経営基盤本部クラブライセンス事務局「2023年度クラブ経営情報開示資料(本発表)」https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/club_info/club_doc-2023.pdf を参照。
ここで先ほどのコンサドーレの赤字決算が問題となります。23年度コンサドーレの「事業報告」(https://www.consadole-sapporo.jp/club/settlement/images/2024/01/kessankoukoku-r0601.pdf)によれば資産超過額が4百万円ですので24年度の決算で5百万円以上の赤字になれば債務超過となり、ライセンス不交付が現実味を帯びてきます。ただ、このなかで第三者割当増資の決議が臨時株主総会でなされていると言及していますので、何らかの動きが1月の期末に向けてあるのだろうと思っていました。なので、今回の報道に接しても個人的には驚きはありませんでした。
石屋製菓の出資が50%を超えコンサドーレは石屋製菓の子会社ということになるわけですが、(石屋製菓が非上場会社のため情報がなくよくはわかりませんが)連結決算を行っていればコンサドーレはその対象になっているはずです。 ちなみに石屋製菓の決算(https://gurafu.net/jpn/ishiya)を検索してみましたが官報に記載された以上のことはわかりませんでした。ただ、これを見るとコロナ禍を乗り越え回復したのがわかります。
ところで、Jリーグのクラブを持つ親会社について税制上重要な見解が2020年に国税庁から出されています。親会社がクラブの赤字を補てんするため支出した金額を広告宣伝費として損金扱いにできるというものです。今まではプロ野球の球団を持つ会社に認められていたものですがJリーグのクラブを持つ会社にも認められるようになりました。
Jリーグの会員クラブに対して支出した広告宣伝費等の税務上の取扱いについて(照会)(https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/080256/besshi.htm) Jリーグの会員クラブに対して支出した広告宣伝費等の税務上の取扱いについて(回答)(https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/080256/index.htm)
これについては当時のJリーグ専務理事で現在は岡山のオーナーである木村正明氏が働きかけを行ったのですが、国税庁が認めて以降「親会社からの協賛金は一気に増えて」いると指摘しています。(「悲願のJ1昇格、岡山・木村正明オーナーが振り返る社長時代 「濃厚な16年」だったJ2時代の改革」元川悦子『会社四季報オンライン』https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/846171) 今までは課税対象となる寄付金などの形で支出していたものが広告宣伝費として損金で扱われることで親会社にとっては支援しやすくなったと言えるでしょう。 もっとも親会社がいるクラブが皆大きな支援をしているかというとそうでもなさそうです。毎年Jリーグが出している「クラブ決算一覧」を見て想像するしかないのですが、スポンサー収入に補填された額が計上されているのか、それとも他の費目になっているのかわかりません。ただ他のクラブと比べて特異な数字があるケースが散見されて、例えば2020年から23年の決算を見ても町田のスポンサー収入、長崎、神戸の特別利益、G大阪のその他収入などは他クラブや当該クラブの費目に比べて突出しています。それらが皆、補填かどうかはわかりません。あくまで推測です。 コンサドーレは今後どうするのかと考えますが、やはり自律したクラブとして規模を大きくしていくことに期待しています。
未だに石屋製菓が親会社になるということに、どういうリアクションをとっていいのかよくわかりません。経営が破綻したうえでの救済買収とも違う感じがしますし、突然縁もゆかりもない会社が現れて経営に乗り出すというのでもありません。あえていえば満を持して経営に乗り出すでもいうのが比較的近いでしょうか。かつてサポーターズ持株会が筆頭株主であった時期もある「市民クラブ」の誇りを持ちつつ、サポーターもスポンサー(パートナー)も一緒に支えていきたいという想いに違いはないような気がします。そして、サポーターはパートナーとともにある、これは誇れることなのかもしれませんし、続けていくべきとこと認識しています。
市民クラブあり方とはコンサドーレに限らずはそういうものなのかもしれんせん。 ひとつの例としてファジアーノ岡山を取り上げてみます。決算発表で毎年繰り返し語られるのはスポンサーの支援です。「ファン・サポーターの皆さまにおかれましても、可能な範囲で結構ですので、ファジアーノ岡山のスポンサー・パートナー企業の商品・サービスをご購入、ご利用くださいますと幸いです」と呼びかけられています。 (ファジアーノ岡山 「2023年度経営状況について」https://www.fagiano-okayama.com/news/202404261600/ また、2013年度の発表ではもう少し踏み込んで「ファジアーノファミリー」という表現が用いられている。「ファジアーノ岡山2013年度経営状況についてのご報告」https://www.fagiano-okayama.com/news/p1398334491/ なお、ここでは一般企業とクラブ経営の違いに言及し、必ずしも単年度の収支にこだわらない姿勢を明言しているがクラブ経営の方向性が示されており示唆にとんでいる)。
さて、コンサドーレの24年シーズンの会計年度ももう少しで終わります。2024年1月期決算の売上を少しでも増やするために、微力ながらオフィシャルオンラインストアで買い物をしてみようと思います。
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