カレンダー
プロフィール
中学高校・かの埼玉・浦和でサッカー経験〜DF。リーグ発足前からサポーター歴を始め、96年札幌居住で、監督・選手と近所付き合いから、コンサドーレサポーターに定着。札幌在住10年はホーム戦、その後、東京~さいたま市へ移住後はアウェーと、時々のホーム戦参戦。 本ブログは、戦略・戦術をテーマ。 より深く、より正しい理解とその上でのサポート実践を、全サポーターの皆様と共に追求するものです。
最新のエントリー
月別アーカイブ
リンク集
検索
2016年11月14日
皆さん、サポーター全員で力を結集した威力を、あらためて誇りと歓喜に充ち溢れながら、確信された事でしょうね。
フクアリのこの試合は、
”奇跡のフクアリ逆転勝利”試合として、
記録と記憶に残る名試合となりました。
その名試合とした主役「一体となった選手と全サポーター」には、永く称えられる「栄誉」が与えられます。遠く、円山公園から、全国のサポーターでのTV画面から、宮の沢で精一杯応援する残留組と関係者から、そして、現地のチーム・選手とサポーター、全員で「想いを一つ」にした我々にですね。
現地参戦し、試合後、湧き上がる歓喜の中、ずぅ~と、考えていた事があります。
それは、
「なぜ、監督はこの大事な一戦を、あのスタメンでスタートしたのか?
進藤を最後まで、交代せずに、起用し続けたのは、なぜなのか?」です。
つまり「監督の選手起用」の考え方です。
このブログで、監督の「心と頭の中」を覗いてみたいと思います。
では、先ず、第41節の確認です。
1位 コンサ 勝点84 得失差32 得点65 首位との勝点差
2位 清水 勝点81 得失差47 得点83 3
自動昇格ライン
3位 松本 勝点81 得失差29 得点59 3
4位 C大阪 勝点75 得失差15 得点61
5位 京都 勝点66 得失差11 得点48
6位 岡山 勝点64 得失差14
7位 町田 勝点62 得失差 8
次戦で、
コンサ
勝利 1位確定=優勝・自動昇格
引き分け 1位確定=優勝・自動昇格
敗戦 清水勝利勝点84・松本勝利勝点84で3チーム同勝点で、
得失差の勝負 ・・コンサ2位=自動昇格
清水勝利勝点84・松本引き分けか敗戦勝点82~、2チーム同勝点で、
得失差の勝負 ・・コンサ2位=自動昇格
清水引き分け・敗戦勝点82~、松本勝利勝点84、2チーム同勝点で、
得失差勝負 ・・コンサ1位・2位=優勝・自動昇格か自動昇格
の3パターン
最終戦の「勝利か引き分け」で、優勝確定・自動昇格との勝負に、持ち込みました。
この進展に「賛否」はあり得ますが、最終戦での「自動昇格」確定の後、反省すれば良い事で、現時点は、シーズンを仕上げる最終戦への「最終準備」に集中です。
では、一昨日の試合を確認しながら、このブログのテーマに取り組んでみます。
1.試合内容
先ず、相手方の千葉について。
すっかり「オシムのサッカー」が復活していました。共通意識を基に、豊富な運動量と素早いパス交換を軸としたパスサッカーです。最大の特徴は、「選手全員により、敵選手のチェック前に正確で速いショートパスの交換を連続して行い、敵陣を突破し、フィニッシュする」との、全員、高連動性の連続スピードプレイです。それも、育成出身や加入時期も短い若手選手が主体となり、ベテラン選手は、その連動の繋ぎ役、スピードアップポイントとなる、強力攻撃力でした。現在の順位11位は、信じられなくなる攻撃力で、この状態が、シーズン中盤で完成していれば、有力な優勝候補となったものだったでしょうね。
この「攻撃的パスサッカー」への守備が、コンサには求められましたが、タイトチェックは、殆ど、千葉のパス交換タイミングに届かず、自由なパス交換を阻止できませんでした。縦に短い「密集陣形」で、相手のパスミスにより、ボールが守備網に掛かる事でなんとか停止・阻止しましたが、ギリギリの守備が続きました。
一昨日のコンサのシステム戦術は、
スタート時「3-5-2」後半「3-4-2-1」とのシステム変更した、とのリリースが記載されていました。
現地で、直接見た所では、スタート時「3-4-1-2」、後半「3-4-1-2」型は維持しつつ、攻撃時に3トップ気味の「3-4-2-1」で、敵陣へ進入との戦術でした。
その相違点は、「トップ下」の有無ですが、スタメン「トップ下」荒野の出来が原因でした。
①結論から言うと、「荒野」のトップ下ポジション起用は不適正で、機能しません。後半の「ボランチ」ポジションでの活性化と、大きな機能差が出ました。これで、何回目かの起用ですが、毎回同一課題が現実化し、「トップ下」が機能不全となっています。
「トップ下」ポジションの期待される役割は、その選手の能力により大きく異なりますが、「パサーとしてのゲームメイク役」「相手のボールの出処=攻撃起点へのアタックをメインととする前線からの守備役」「DF裏やサイドのスペースへの飛び出し役」「FWこぼれ球を狙うセカンドストライカー役」があり、実際はその複合形ですね。
荒野の特筆能力は、「運動量」ですが、「テクニックやスピード、身体能力」ではありません。一昨実戦の内容を点検すると、
「パスの受け渡し局面は皆無」でしたが、ポジション位置が原因で、「攻守切り替え」では低過ぎの同位置、「ポセッション時」では前線FW位置で高過ぎる位置。
また「前線からの守備」でも、相手のパスタイミングが早く、一回もパスする前タイミングでのチェックは出来ませんでした。スプリントスピードの問題です。同様に、「飛び出し役」も「セカンドストライカーも」全く機能しません。
それに対して、「ボランチ」役となると、豊富な運動量が活き、特に、進入相手選手へのチェックを中心に活躍となりましたが、「小野」からの試合途中「アドバイス」の通り、相手選手を追い掛け過ぎ、意識的な相手選手の移動に釣られスペースを空け、ボランチ=バイタル位置を利用される欠点もありました。
②同時に、問題となった起用が「上里」ボランチでした。ボランチの役割は、「中盤支配」を目指しながら、ボールの出処と受け処への守備による「ボール奪取役」、相手の自由なプレイを阻止する「タイトチェック役」、攻守切り替えでの「攻撃起点役」、ロストボール・こぼれ球の「2次ボール確保役」、サイドとセンターへの「ゲームメイク役」、DF・サイドの「カバー役」、前線への攻撃参加の「3次攻撃役」等、多々ありますが、そのほとんどを機能することが出来ませんでした。「スピード・運動量とスプリント・ポジショニング・テクニック・判断」の不足で、ボランチとしては消えた存在となり、-1名と同価値でした。結果、ボランチ位置に大きなスペースが空き、千葉に自由に進入、プレイを許しました。
③進藤起用もポイントとなりました。実際、途中何度も右サイド突破を許し、そのため、適正なポジション取りの判断が混乱し、前半中頃以降は、本来のポジション位置とは、上下、左右にかなりズレ、スペースを産んだり、近隣選手によるカバーが常時必要なところまで追い込まれ、ビクついたプレーでしたが、河合のカバーと指示でギリギリ維持するものでした。しかし、後半も60分頃には、ボランチの補正と攻勢展開から、立ち直り、アグレッシブなDF守備に到達しました。
④最大の起用ポイントは、スタメン攻撃陣でした。安定力がある千葉の守備を破るための攻撃陣の筈ですが、結果を見ても明らかな様に、「都倉・ジュリーニョ・ヘイス・内村」の4人(私の事前予想は、内村ではなく、小野でしたが)が必須でした。この4選手の能力には「テクニック・発想力・決定力・連動性・スピード・身体強度」の共通項目がストロングポイントで、役割の交換、ターゲットも、誰でも可能で、守備側から見ると、ターゲットや守備ポイントを絞れず、連動性のある守備が出来ません。この攻撃陣をスタメンから起用せず、「都倉・ジュリーニョ」だけで攻撃する事が困難な事は自明でした。それでも、スーパー能力で、なんとかチャンスは作りましたが、得点までは無理ですね。
以上の様に、4つのスタメン起用でのポイントがあった試合でした。
後半、④の攻撃陣「都倉・内村・ヘイス・ジュリーニョ」の攻撃態勢構築、①の「トップ下」ポジション機能失敗をシステム変更で改善、②の荒野ポジションチェンジによるボランチ再整備、③の進藤自力改善が揃い、逆転劇となりました。
2.監督の起用スタンス
一昨日試合の内容を、起用選手から再確認してみましたが、ここでは、監督のスタンス・狙いを軸に確認してみたいと思います。しかし、監督の「心・頭」の中の事、言葉にして公表している訳でもなく、あくまでも推論での考察ではありますが、これまでの試合実戦起用データには、その一端が確実に表現されている筈ですね。
今シーズンの育成選手の起用と戦績データです。(石井は30歳なので除く)
a.全試合、育成選手が起用されました。その内訳と戦績は、
起用数(スタメン+交代起用も含む)
1名 3試合 戦績 2勝0分1敗 1試合平均勝点2.0
2名 5試合 戦績 2勝3分0敗 1試合平均勝点1.8
3名 8試合 戦績 4勝3分1敗 1試合平均勝点1.8
4名 16試合 戦績12勝2分2敗 1試合平均勝点2.3
5名 6試合 戦績 4勝0分2敗 1試合平均勝点2.0
6名 3試合 戦績 2勝0分1敗 1試合平均勝点2.0
のデータ。
平均育成選手起用数 3.6名/試合 ・・4名
中核選手起用数 6.4名/試合 ・・6名
中堅選手起用数 1.7名/試合 ・・1名 の選手構成が平均。
おまけに、
b.選手別起用数(全起用)
1位 32試合 堀米 スタメン30試合
2位 25試合 深井 スタメン24試合
3位 22試合 進藤 スタメン20試合
4位 17試合 前寛 スタメン15試合
荒野 スタメン15試合
6位 15試合 櫛引 スタメン 7試合
7位6試合神田、8位5試合菅、9位4試合中原、10位3試合永坂、11位2試合前貴でした。
ここに明確に今シーズンポリシーが表れてますね。
「1試合4名の育成選手起用」コンセプト です。
そして、1試合平均勝点から、戦績も最高となりました。
普通の常識では、育成選手よりも、中核選手・中盤選手の起用数が増加する方が、戦力向上し、戦績アップの筈ですが、
敢えて、育成選手「4名」起用を、シーズン通して継続し、そのスタイルでの戦績もアップとした、との実戦起用を示しています。
監督のコンセプト・起用スタンスは、
「先ず、一定レベルの育成選手4名起用と中核選手の起用選択を優先し、戦力バランスをとる形で、中堅で起用」との内容です。
これを一昨日試合に当てはめると、
育成選手「進藤・堀米・荒野」起用を中軸に、
中核選手「ソンユン・河合・福森・ジュリーニョ・都倉」を選択、
中堅選手「宮澤・石井と上里」でバランスを取ったもの、となります。
根本的に、「育成選手起用の目的」は、
戦力構築は前提ですが、「有望育成選手をシーズンを通して実試合経験により、成長・レベルアップ・経験値累積を図り、中核選手へ育て上げる」事が、主目的ですね。
実際に、J1の有力チームこそ、自チームの育成選手が、激しく強烈なJ1サッカーの環境・世界で、起用・実戦体験し、急激に成長・戦力化しています。そして、コンサも一貫した全体コンセプトとして、「シーズンを通し、実試合での実体験の連続の中で急激な育成・成長を図る」を追求しています。
しかし、一昨日試合は、起用スタメンでの4つの課題点が発生したため、荒野と進藤は実体験・プレーを継続し、上里を入れ替えて、更に「攻撃陣」も交代で修正したものでした。
後半の得点した「攻撃陣」をスタメンから起用する方が、試合は簡単・良好な展開にし易い筈ですが、
敢えて「荒野」を見込める「ボランチ」ではなく「トップ下」起用を軸にしたため、スタメン攻撃陣と「上里」の選択となった経緯・理由ですね。
「進藤」も最重要・緊迫試合での、貴重な、コンサDFだと全員参戦希望となる「DF経験」を敢えて積ませたものだったのですね。
育成選手の積極起用の実試合データは、
ベテラン・中核選手の離脱を埋めるための「代替起用」ではなく、
シーズン当初からのチーム方針・シーズンコンセプトだったとの証明となっていました。
あらためて、監督の選手起用の「謎」が解けたように感じます。
戦績を睨みながら、「試合戦力のバランスを取りつつ、育成選手を徹底して起用するシーズンにしよう!」との内容。
その功績で、J1クラス前後の「育成選手」が複数名、出現・獲得出来たシーズンとなりました。
一昨日試合は、中核選手・中軸選手・育成選手、それぞれ活躍しました。
しかし、MVPは、河合兄貴でした。ピッチの中の「監督」として、攻守、試合展開・コントロール、選手のハートを支え続けた主役でした。河合兄貴のいる試合と、いない試合の差は、激しく・厳しい試合になる程、大きく出現します。
ラスト試合も、起用の有無はあり得ますが、間違いなく全選手、その指示・指導・影響の下で、全力プレーとなるものですね。「大黒柱」そのものです。
以上 監督の選手起用の観点から、総括・確認をしてみました。
有難うございました。
カレンダー
プロフィール
中学高校・かの埼玉・浦和でサッカー経験〜DF。リーグ発足前からサポーター歴を始め、96年札幌居住で、監督・選手と近所付き合いから、コンサドーレサポーターに定着。札幌在住10年はホーム戦、その後、東京~さいたま市へ移住後はアウェーと、時々のホーム戦参戦。 本ブログは、戦略・戦術をテーマ。 より深く、より正しい理解とその上でのサポート実践を、全サポーターの皆様と共に追求するものです。
最新のエントリー
月別アーカイブ
リンク集
検索