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中学高校・かの埼玉・浦和でサッカー経験〜DF。リーグ発足前からサポーター歴を始め、96年札幌居住で、監督・選手と近所付き合いから、コンサドーレサポーターに定着。札幌在住10年はホーム戦、その後、東京~さいたま市へ移住後はアウェーと、時々のホーム戦参戦。 本ブログは、戦略・戦術をテーマ。 より深く、より正しい理解とその上でのサポート実践を、全サポーターの皆様と共に追求するものです。

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〜進化〜 Jリーグ最新流行・コンサも「ハイプレス」 考察

2020年09月18日

前ブログで、G大阪戦術「ハイプレス」の持つ欠陥・課題を点検しましたが、あらためて、最新流行戦術「ハイプレス」について「特別考察」回です。
その効果と課題点が確認出来れば幸いです。

1.「ハイプレス」戦術の現状
〔現状〕
現在、最新戦術として「ハイプレス戦術」は、J1リーグで大流行ですね。
採用チームは、なんと、
川崎・横浜FM・鹿島・湘南・コンサ・FC東京・仙台・鳥栖・G大阪・神戸・清水、と驚きの11チームにまで拡大。
実は、この記載順は重要で、
<ハイプレス成功率(ボール奪取率)順>で、
コンサは5位・41.1%のハイプレス成功率となっています。
〔成功率;川崎46.6%-横浜FM45.2%-鹿島43.5%-湘南41.8%-コンサ41.1%-FC東京40.7%-仙台40.2%・鳥栖40.2%-G大阪40.1%-神戸39.9%-清水38.3%〕
 成功率からは、最高レベル46%~下位レベル38%と「8%」の差があり、その威力には格差が現存し、各チームの取り組みにも成果に差があります。
一方で、<ハイプレス実施頻度>にも、大きなバラツキがあり、
鳥栖-川崎-湘南-清水-横浜FM-FC東京-仙台-コンサ-G大阪~神戸-鹿島の順で、コンサ8位、意外にも、トップが鳥栖、川崎に続くのが、湘南・清水で、「実施頻度と成功率」共に揃う⇒有効・実績となっているのは、川崎・横浜FM程度しか現存していない、との実態結果です。
つまり、ハイプレスを多数チームがするも、有効に機能しているのは「僅か2チーム;川崎・横浜FMのみ」で、そこにコンサが加わった、という事となります。

2.ハイプレス戦術内容
「ハイプレス」の意味と歴史;
高い位置でボールを奪うサッカー。サッカーの守備は、ゴール死守守備とボール奪取守備に分かれ、「ボール奪取守備の中で失点減少するサッカー」。敵陣でボール奪取のため、FWに守備貢献を求めるもの。過去・歴史的には、1950年代までの「攻撃と守備分業制・FWが守備しない」・・1974オランダトータルフットボールで「ハイプレス」登場・・1980年代セリアA・ACミラン「ゾンディフェンス」で大きく進化。
「ハイプレス」の特徴;
相手を自陣ゴールから遠ざけ、失点リスクを減少し、高い位置でボール奪取で、得点チャンス増大を狙うもの。攻守連動・攻守同時狙い戦術。
Jリーグでは、コンサ以外の全採用チームが、「ゾーンディフェンスの進化型」との図式・システムで、そこには大きな欠陥・課題にポ繋がるポイント部分です。
より具体的に確認しますと。
「ハイプレス」分類
大分類は「目的」の違いからで、、
・「相手ビルドアツプ阻害のプレス」
・「ボールをロストした後のカウンタープレス」
ビルドアップ阻止型が、
a.ゾーンディフェンス型ハイプレス
「相手が守備陣の中に入ってきた瞬間に、囲んでボール奪取」となり、
「選手は守備エリアを設定」し、
「守備陣形を崩さず全体が前進し、ボールホルダーにプレス」
~対抗策・弱点;
「サイドチェンジ」となる「プレス到達前のパス」が対抗策で、
「中間ポジション経由でのサイド変更」と「ロングボールで逆サイドまで展開」により、「ハイプレスを外され」、その局面になると「防衛ラインを下げるしか対抗手段が無く、そのまま「ラインを下げなければ、一挙に守備ラインの裏をとられるカウンターを受ける、大リスク事態となるのです。
b.マンマーク型ハイプレス
コンサのみがトライしている戦術です。
「相手のビルドアップ」に対して「マーク」を明確に設定し「人に対してプレス」
~対抗策・弱点;
「1対1で負け」て、パスやドリブルで、守備全体・組織に波及し、混乱事態発生。
「マーク設定(マーキング)」は、
・最前線では「1人で2人分マーク担当」、以下では「1人で1人担当」、最終ラインで「1人が後ろに人数を余らせる」スタイルが多い。
・・パス出し手と受け手全てを封じ、「サイドチェンジやパス」での対抗策の根幹「パス交換」阻止で、「ハイプレスが対象に到達」を図ります。

もう一つの
カウンタープレス型は、
ボールを奪われた後の切り替えが「ネガティブトランディション」で、その瞬間、ボール再奪取を仕掛ける「カウンタープレス」もハイプレスです。
c.カウンタープレス
・「ボールを奪われた選手」が「ファーストディフンダー」に変化して「即座に守備プレス」
・「ボール奪取位置」を設定しそこへ「チームで相手を誘導」し「囲い込みボール奪取」
の2パターン。
〔参考;ペップの5秒ルールは有名で、ボール奪取から5秒間ハイプレスし、5秒で奪えなければ守備組織整備のための時間稼ぎとして「相手攻撃を遅らせる」ことに集中、とのスタイルで、「5秒間」の規律化で、チーム共有意思統一としたもの。〕
d.カバーシャドー
ハイプレスのチームプレーで、
「1人で、相手2選手の選択肢を奪る守備プレー」。
「背中でマークする選手へのパスコースを切るりながら」
「ボールホルダーに寄せていく」との内容で、
1人で相手2選手を監視・コントロールします。
そして、
「前線選手のカバーシャドー」が、後方選手に「ボールの取りどころ」を与え、「ディフェンスラインを高く>設定のハイラインを可能とします。

この様に、a.b.更に、c.d.の4パターンがありますが、コンサのみ「b.マンマーク型」で、それ以外は「a.ゾーン型」となり、加えて、c.カウンタープレス、d.カバーシャドーを加えるかどうかの選択となります。

3.各チーム状況
根幹の考え方として、過去・これまでからの延長である、
「堅守速攻型」の「リアクションサッカー」と、
「パスサッカー」の「アクションサッカー」の、
2つの選択・大方針は、現在も、各チームの根幹・底流です。
そして、
➀Jリーグの多くが「堅守速攻型」を基本戦略とし、
「堅守」=「ブロック・密集組織型」守備の「布陣位置」が、次第に「より高い位置」へ移動・変更、との傾向の終着点こそが、「ハイプレス・ゾーン型」となったというものです。 対する「パスサッカー」の「ビルドアップ」の精度・内容レベルアップ傾向で、そのままでは「長短の高精度・ピンポイントパス」に晒され、自陣内ポイントで受けられ、自陣ゴール近くで突破される成功率が上がり、大きな危機が多発する事となりました。そのため、「フリーなビルドアツプを阻止」との狙いが重要視され、そのパス源にチャージ・ボール奪取する、との「ハイプレス」に帰結した、という事です。
詰まり、「堅守速攻」は今も不変で、その位置が「相手陣エリア」に布陣し「相手側ピッチでの自陣ブロック守備」と「極めて高い位置でのボール奪取からのカウンター」と、スタイルは「堅守速攻」型そのもので、その位置が、相手側エリアだ、という点が異なる、という事です。(鹿島・G大阪・FC東京)
➁対して、「パスサッカー」チームでも、
自陣ビルドアツプを狙われ、ボールロストは、一瞬にして、自陣ゴール前に大リスク事態が多発する事となります。そのための対抗策として、「自陣」をより高く、相手側エリアでの「パスサッカー」を図る、という事です。(川崎・横浜FM)
➂更に、そのどちらでもないパターンが、「パスサッカー」を「相手側エリアでのマンマーク守備とボール奪取からのカウンターと高い位置でのパスサッカー」を展開、とのコンサとなる訳です。

4.ハイプレス戦術の課題~メリットとデメリット
➀3つのメリット
・相手ビルドアツプ阻害
・敵陣内ボール保持率が上昇し、失点リスクが軽減
・ショートカウンターに繋げ易い
敵陣でプレーする事で攻守にメリットとなります。
➁3つのデメリット
・体力消耗度の高さ~極端なフィジカル低下
・ロングボールへの弱さ~ディフェンスライン裏の膨大スペース
・ドリブル・パス等でプレスを「外された時」の脆さ
とメリット・デメリットは明確です。

特に、デメリットで、
a.「試合中の選手体力消耗の早さ」には、「選手個々の体力レベル大幅引き上げ」を実現する事が絶対条件ですが、それが出来なければ「戦術実施時間」を縮めるしか無く、更に、「体力消耗に至った場合には選手のスピード・キレ・運動量が大幅低下し、大きくパフォーマンス低下」が必至です。
コンサでは、「走るサッカー」(オシム流で、「走りりながら考える身体能力」)は準備済みで、特に最近は「フルタイム作動」に近づきつつありますね。他チームは、未だまだ「試合の中の僅か時間のみ可能」のレベルが多数です。川崎・横浜FMも、合格レベルに近づいています。
b.「ディフェンスライン裏スペース」リスク対策
方法は、2通りしかありません。
一つが、
・「裏スペースのカバー能力」を持つ「優秀DF」を揃える・・横浜FMのTマルチンス、谷口、などのスピード・対人守備・高さ・判断が全て揃うWクラス選手であれば、カバーは可能、かもしれませんが、豊富な資金力が絶対条件となり、一部チーム以外は、出来ても、一部選手のみで、通常レベル選手では、相手カウンターリスクへの成功率は、低くなってしまっています。
もう一つが、
・コンサの方法、裏スペースへのロングフィード自体を阻止する「マンマーク」で、相手ビルドアツプを、相手別選手へのパスコース消滅で完全阻止し、パス出しそのものを阻止する方法です。
「ハイプレス」の形態は同一ですが、その狙いと「d.カバーシャドー」、そのチーム全体連動は、リーグ唯一です。
c.プレス「外し」
ここは、「球際の強度」~「寄せのスピード・強さ」が決め手で、その大前提条件こそが「フィジカルコンディション」となります。
また、コンサの「マンマーク型」で、「パスコース消滅」で「パスによるマンマークプレス外し」は、不可能と出来ています。
実際の、ハイプレス成功率は、
最強川崎46.6%〜下位清水38.8%で、川崎でも、ハイプレス成功は、半分以下で、50%以上が、「外され」、ビルドアップ成功とされているのですね。
この不成功回数、大リスク、裏スペースのカウンターリスクとなっている訳で、相当甘い阻止にしかならないのですね。
コンサも、40%程度のハイプレス成功率ですが、ボール奪取には至らなくても、パスコースは消されていて、無理なミスパス、出し所がなくて持ち過ぎとなり、ボール奪取を受ける事となるボール奪取に繋がります。

なによりも、チーム全選手の「共通意識」が、成功の大前提条件ですね。どの選手の連動プレーも欠かせない「精密機械」の様な、チームプレーで、徹底した練習による「意識は当然、プレー共通化・統一」が必須です。

いかがですか。
「ハイプレス」にも、色々な内容と方法、ポイントがあり、各チームで、その成否・効果の成果は、大きな差が出ている、という事が明らかとなりました。
あらためて、コンサのトライは<最新・最高ランク・最強>戦術ですね。




post by yuukun0617

12:34

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