氷頭（ひず）なます。

鮭の頭の軟骨部分の臭みを抜いて、酢のものにした北海道の郷土料理の一種。
昔々は、鮭を１匹まま買ったり、頂いたりする事も多かったのですが
最近は北海道とあってもそんな機会は滅多に無くなり、食べたりするコトも殆ど無くなったように思います。

ウチのボクは、生まれも育ちも北海道なのに氷頭を知りませんでした。
私は、祖父や父がお正月のお酒の肴で食べていたので知っていたし、好きでした。


氷頭は、あらかじめ酢洗いして１晩程度酢漬けにしておくのですが、
今回はデパートで下処理されていた氷頭を見つけたので、ソレを利用しました。

酢漬けにした氷頭を、もう一度軽く酢洗いし（純米酢を使ってね）水気を切り
大根おろしと三杯酢、塩少々で和えて完成。
レモンや柚子など、柑橘の香りを添えるとクセが取れてグッと食べやすくなります。


こーいった伝統的な郷土料理を食べる機会はあまり無いけれど、だからといって
作る、作らないは別として、知らないよりは、知っていた方が良いような気がします。
食べ物を無駄にしない、先人の思いや知恵が詰まった一品です。

「和食」がユネスコにより無形文化遺産に登録されましたが、一流料亭で供される美しい和食だけでは無く
古くから郷土に伝わる家庭的で素朴な和食も大切にしていきたいなぁーと、思います。

・・・因みに、
「二杯酢」と「三杯酢」の違いは甘味が有るか無いかの違いです。

「二杯酢」は、酢＋醤油＋出汁（又は水）
「三杯酢」は、酢＋砂糖（又はみりん）＋醤油＋出汁（又は水）