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釣った魚をあげるより

2013年04月09日

子どもたちや若い選手たちの指導ということを考える時、よく思い出す言葉がある。
「釣った魚をあげるよりも、釣り針と釣り糸をあげなさい」
誰の言葉だったか忘れたけれど。
飢えた人に魚を釣ってあげればその時は満足するけれど、その場しのぎでしかない。
明日にはまたお腹がすいてしまう。
けれど魚の釣り方を教えてあげれば、その人は一生食べていける。
みたいな解釈だったと思う。

教えるということはとても根気のいるものなんだなぁと改めて思う。
↑の釣りの話だって、釣り針と釣り糸をあげて一から教えるなんて面倒くさいことこの上ない。
助ける方も魚をあげておしまいにしてしまった方がラク。
でも相手のためを思うなら、相手の成長を願うなら、そんなわけにもいかない。

監督にも色々なタイプがいて、指導の仕方も色々。
魚をあげることで結果を求める人もいれば、自分の釣りの姿を見せる人もいるし、
エサの付け方から教える人もいれば、同じ魚をたくさん用意する人もいる。
財前さんという人はこれまたどんなタイプかと聞かれてもひとことで言い表しにくく、
掴みどころがないかんじ。
感性でやっているようにも計算しているようにも風まかせのようにも見える。

天才だと言われながらもいまひとつ結果を出し切れずにここまで来た前田は、
その才能を発揮しきれる監督に巡り合わなかっただけなのかもしれないなと思った。
彼のやりたいようにやらせたら良いけれどそれだけでは駄目だし、
かといって変な枠にはめてしまうと良さが消えてしまう。
そのバランスをうまーくとってくれる監督でなければ覚醒しない。
ここに来て、前田にとってその監督は財前さんなのではないかしらと思っている。
今季こそ本物の前田を観られるのではないだろうかと。
宮澤の攻撃の良さが最近出てきたのも、きっと財前さんの存在が大きいのだろうなと。

財前さんはきっと、選手たちに釣り道具以上の何かを与えている。
その"何か"が少しずつ選手を成長させ、結果に繋がって行くような気がする。
宮澤と前田にその片鱗が見えてきている。
他の選手たちもきっとこれからじわじわと出てくるんじゃないかな。
ひとりひとりの選手を絶妙なタイミングで起用してあげると、すごい力が出てくれそうだ。
だからほんと、負けていても惜しい試合でも私は今このチームがとても面白い。


post by ひとみ

23:41

コメント(2)

この記事に対するコメント一覧

チームがある限り

Re:釣った魚をあげるより

2013/04/10 08:49

「人のため」って難しいですよね。 すぐに手を貸して助けるのももちろん人のためですが、「いつでも助けてもらえる」と思われるとチョット違う話になる。 助けられた側に「自立心」が芽生えて自分も人を助けたいと思えるようになれば繋がってゆくのかなぁと。 ’ 指導はまさに「釣竿と釣り糸」で結果を出すのは本人次第ですものね。 財前さんはユース世代の指導もしていたので、トップチームでも心理的な部分の細やかな指導が生きているのかもしれません(インタビューでも触れてました)。 ’ プレースタイルも性格も似てるイメージのないマエシュンとみーやですが、釣竿と糸を渡されたのでしょうかね。 案外糸だけ渡されて「まずはそれでやってみろ」とか(笑) ’ これを読んだら平日の練習風景を見てみたくなりますね。 結果だけ見るのはつまらないと思ってしまいます(^^) 行きてぇ~!宮の沢!!

ひとみ

コメントありがとうございます。

2013/04/11 00:24

>>チームがある限りさんへ . そうですねー。相手が「いつでも助けてもらえる」と思っちゃうこともありますもんね。 そうなると監督に言われなければ何もできない選手になってしまいます。 ここのバランスも難しいでしょうねぇ。 人を育成するって本当にすごいことですね。監督ってすごいなぁ。 . 体力と精神力のみでやっていそうなド体育会系のものながら、 頭脳や繊細さや細やかさが必要になるなんて、サッカーって面白いです。 私たちから見えている部分なんて、本当にほんの一部なのでしょうね。 確かに、みーやとマエシュンは糸だけをもらったのかもしれません。笑 このふたりならば糸からでも新しい発想が出てきそうですもの! (↑もはや何の話だかわけわからないですねっ) . いやぁー私も練習行きたくなっています。 過程を観られるって良いですよね。 人の成長の過程、チームがつくられる過程なんて普通は観られるものじゃないですし。 さっき何気なくジャイキリを読み返していたら早く試合に行きたくなりました。

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